マッスルバックアイアンとは?メリットや打ち方のポイントについて
前回、アイアンの選び方でも少しご紹介しましたが、今回はマッスルバックアイアンについてです。
マッスルバックアイアンは、別名、フラットバック、もしくはコンベンショナルとも言われますが、プロや上級者が好んで使う難しいアイアンというイメージがあるかも知れません。
実際にマッスルバックアイアンは、特に初心者にとっては難しいアイアンかも知れません。
ただ、マッスルバックを使うプロや上級者の方なども、理由があって使っていて、つまり、メリットがあるということなのですが、今日はそんなマッスルバックアイアンのメリットやデメリットについて見てゆきたいと思います。
また、記事の最後には打ち方のポイントなどについてもご紹介したいと思います。
では、早速見てゆきましょう!
アイアンには大きくわけると、2つの種類があります。
- ①キャビティアイアン
- ②マッスルバックアイアン
他に中空アイアンもあります。(キャビティ、マッスルバック、中空アイアンのメリット、デメリット参照)
①キャビティアイアン
キャビティアイアンは、初心者から上級者、またはプロまで幅広く支持されているタイプのアイアンで、ヘッドを後ろから見るとくり抜かれたような形状をしていて、バックフェースが凹んでいます。
このような形にすることによってスイートスポットを広くできたり、ヘッドを大型化することができるというメリットがあります。
②マッスルバックアイアン
今回のテーマ、マッスルバックアイアンは、昔ながらのアイアンの形状で、写真で見るとこのような形をしたアイアンのことを言います。
マッスルバックの特徴は、
- ①ヘッドそのものが小さい
- ②フェースの後ろはキャビティのように凹んでいない
- ③フェースの面積が狭い
- ④ソール幅が薄い
といった点になります。簡単に言うと、1枚の板のような構造になっているのがマッスルバックアイアンになります。
写真はミズノのMPシリーズのマッスルバックアイアン。
MPシリーズのアイアンは、タイガー・ウッズが初めてマスターズを制覇した際に使用していたことでも知られる。(当時ウッズは、MP-29(2番~5番)とMP-14(5番~9番、PW)を使用していた)
現在はマッスルバックアイアンも進化していて、打感の良さに加えて、打ちやすさを売りにしているモデルも。
さて、ここからはマッスルバックアイアンのメリット、デメリットについて見てゆきたいと思います。
マッスルバックアイアンのメリットは下記の4つのポイントになります。
- ①操作性が高い
- ②打感がいい
- ③弾道を低く抑えることができる
- ④カッコイイ(と感じる人も)
①操作性が高い
マッスルバックアイアンの大きな特徴の1つが操作性が高い点になります。
マッスルバックアイアンを好んで使う上級者やプロの中には、「ボールを曲げることができるから」という理由でマッスルバックを使っている人も多いです。
マッスルバックの場合は、例えば、大型キャビティアイアンに比べるとヘッドがとても小さいですが、ヘッドが小さいということは、重心距離(※下の図参照)が短いということになります。
この重心距離はヘッドの操作性に直結していて、重心距離が短いマッスルバックアイアンは、ヘッドを意図的に開いたり、閉じたりといったことがしやすいアイアンであると言えます。
反対に重心距離の長い大型ヘッドアイアン、キャビティアイアンなどは操作性の面ではマッスルバックアイアンに比べると劣ります。
アイアンの重心距離について。重心距離が長いクラブと短いクラブの違いとは?
マッスルバックは、フェースの開閉を使ってボールを意図的に曲げてゆく人とは相性のいいアイアンと言えるかも知れません。
②打感がいい
マッスルバックアイアンは、ヘッドが一枚の板のような構造になっているのが特徴ですが、この構造から、芯で打った時の打感がいいと言われています。
写真はキャロウェイゴルフのマッスルバックアイアン。一枚の板のような構造になっている。
打感というのは、特に感覚を重視する人にとってはとても大事なポイントで、スイートスポットが広く、簡単に打てるアイアンが普及した今もマッスルバックを愛用している人がいるのは操作性に加えて、その打感の良さも大きく関係しているのかも知れません。
③弾道を低く抑えることができる
キャビティアイアンとマッスルバックを同時に打ち比べる実験をしてみると、マッスルバックの方が強い弾道になることが多いです。
言い換えると、ショットが低く出るのですが、ヘッドスピードが速く、ボールが高く上がり過ぎているような人の場合は、マッスルバックとは相性がいいかも知れません。
また、これはモデルにもよりますが、マッスルバックの場合は重心が他のアイアンに比べて高めに設定されているものもあり、それもまた、ボールが低く飛ぶ要因となっています。
④カッコイイ(と感じる人も)
マッスルバックは、カッコイイというイメージを持った方も案外多いのではないかなと思います。
やはり、シャープな見た目で、切れ味鋭いアイアンというイメージがあって、マッスルバックは一部の人には根強い人気があります。
一方、マッスルバックアイアンのデメリットですが、下記の点が挙げられます。
- ①スイートエリアが狭い
- ②ちょっとしたことでフェースが開いたり、閉じたりする
- ③弾道が低くなる
①スイートエリアが狭い
先ほどのメリットがそのままデメリットにもなるわけですが、マッスルバックは、ヘッドが小さく操作性が高いという反面、ヘッドが小さいことで、スイートエリアを大きくすることができないので、ちょっと芯を外してしまうと大きく飛距離をロスしてしまいやすいと言えます。
つまり、ミスに弱いということになります。
②ちょっとしたことでフェースが開いたり、閉じたりする
重心距離が短いマッスルバックアイアンは、フェースの開閉がしやすいのが特徴ですが、スイングが安定していない時に使うと、フェースは勝手に開いたり、閉じたりするわけで、ショットも安定しなくなります。
③弾道が低くなる
昔のマッスルバックに比べて、現在はマッスルバックでもボールは上がりやすくなっていますが、やはりキャビティアイアンなどに比べるとどうしても打ち出し角や弾道の高さは低くなりやすいと思います。
キャビティアイアンの場合はバックフェースを削って、それをソール部分に持ってくることで重心を下げたり、ソール幅を広くして、重心深度を深くすることで、ボールが高く上がりやすいように設計することができますが、マッスルバックは多くの場合、そういったことができないためです。
ですので、ある程度ヘッドスピードがないと、マッスルバックの場合は、ショットの高さが出ず、飛距離が落ちてしまうこともあるかも知れません。
マッスルバックアイアンの打ち方について
最後にマッスルバックアイアンの打ち方について少し見てゆきたいと思います。
基本的には、マッスルバックアイアンだからといって、特別、スイングを変えたり、アドレスを変えたりする必要はないと思います。
これまでアイアンをダウンブローで打ってきた人は、そのままダウンブローで、アイアンは払い打ってきた人は、そのまま払い打つ形でいいと思います。
ただ、もし、マッスルバックに変えてうまく打てないと感じたりミスが出ると感じた場合ですが、その場合はいくつかチェックポイントがあります。
①ボールの弾道の高さにリミットを設ける
マッスルバックアイアンはその構造から、キャビティアイアンと比べてボールが上がりにくいのが特徴です。
そのため、キャビティからマッスルバックに買い替えると、ボールが低めに飛ぶことが多く、それを修正しようと、無意識の間にややすくい打ちになってしまっていたり、普段通りのスイングができなくなっているケースもあります。
その場合ですが、弾道の高さにあえてリミットを設けるといいますか、あえて、低めの弾道を打つようにすると、調子が戻ってきたり、上手く打てるようになってくることがあります。
②ロフトを立てて打つ
プロのアイアンショットは何故あんなに飛ぶのか?でもご紹介しましたが、プロの場合、アイアンはロフトを立てて打っていることが殆どです。
マッスルバックが思うように打てないと思った場合も、ややハンドファーストでインパクトするイメージで打つといいかも知れません。
つまり、ややシャフトをターゲット方向に傾けた形でインパクトをむかえるということになります。
このような形で打つと緩やかなダウンブローの形になりますが、マッスルバックはこの形の方が芯で打てると感じる人も多いかも知れません。
もっとも、普段からボールを横から払い打っている人はそのスタイルを無理に変える必要はないと思いますが、もし、無意識の間にボールを高く上げようとしているような場合は、練習として、ロフトを立てて打つ、もしくはややハンドファーストで打つような意識で打っていただくといいかも知れません。
そして、その後でいつもの払い打つ形に戻すといいかと思います。
③キャビティから買い替える場合
例えば、大きめのヘッドのキャビティアイアンから小型ヘッドのマッスルバックに買い替える場合は、最初はボールが曲がってしまいやすいかも知れません。
大型ヘッドはスイートスポットが広い反面、ヘッドを返しにくいので、そのヘッドに慣れていると、ヘッドが返しやすいマッスルバックに持ち替えた時、ボールがつかまり過ぎてしまうケースもあります。
ただ、この辺は慣れもあると思うので、ここでいきなりスイングやアドレスを変えるのではなく、様子を見ながら、少しづつ慣れてゆくのがいいかも知れません。
その場合は、最初はスイングスピードを半分程度まで落として、まずは芯で打つことから始めてみるといいかと思います。
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