スタンスと左足・右足のつま先の向きについて
アドレスで構える際、両足のつま先は少し外側に向けて(開いて)構える形になります。
ただ、左足に関してはレッスンプロや専門家によって、どの程度開いた方がいいかという基準が多少違っていることがありますし、右足のつま先に関しては、ボールと目標を結んだターゲットラインに対して90度にした方がいいというゴルフ理論も存在します。
今回は、そんなアドレスでの左足・右足のつま先の向きについて、どの程度開いた方がいいのか?また、左足、右足の向きがスイングに与える影響についてもご紹介してゆきたいと思います。
両足のつま先の向きとその目安
今回はスタンス幅などは省略して、つま先の開き方に限定してお話したいと思います。
さて、両足のつま先の開き方、向きですが、結論から申し上げると、個人差があっていいと思うのです。
プロでも、両足のつま先を大きく外側に向けて構える人もいますし、あまりつま先を開かない人もいます。
ただ、1つの目安として、最初は両足のつま先を15度程度、外側に開く意識でいいと思います。
下のイラストですが、右足(のつま先)も左足と同じように15度程度外側に向けて構えます。
またはもう1つ、どの程度つま先を開いたらいいのかを知る方法があります。
それは何かというと、スクワットをする・・という方法になります。
実際にやってみたいと思います。
まず両手を頭の後ろで組んでください。
背筋は伸ばしたまま、前傾姿勢をとります。
この時、足の付け根から前傾してください。
お尻を後ろに突き出すようにします。
腰から前傾すると背中が丸くなりますので注意してください。そしたら、今度は膝を少し曲げます。
このやり方は、ゴルフのアドレス(ポスチャー)の作り方と似ていますね。
さて、この状態で軽くスクワットを10回ほどやってみてください。
膝の角度が90度になる程度まで腰を落としてゆきます。背筋は伸ばしたままにしてください。
この時、もし両足のつま先を開きすぎていると、膝に過度の負担がかかるように感じると思いますし、逆につま先を閉じているとしゃがむのが困難です。
ですから、自分がスクワットをやりやすいようにつま先を開いてみてください。
この時のつま先の開き方を1つの目安にして、構えてみる・・というのもよい方法だと思います。
また、これは以前にも少しご紹介したことがありましたが、こんな実験をしてみることもできます。
まず、真っすぐに立ちます。
次に何か重いもの20キロとか、女性であれば10キロ程度の荷物などを両手で抱えて立ってください。
するとつま先は自然と開くかと思います。体がしっかりと立つ為にとバランスをとろうとするからです。
この時の両足のつま先の開き具合というのは、1つの目安になるかなと、思います。
右足のつま先を直角(90度)に?ホーガン・スタンスとは?
スタンスについては色々な理論、考え方があるのですが、右足については、ボールと目標を結んだターゲットラインに対して、右足が直角になるように構える・・という理論、考え方もあります。
イラストにするとこんな感じです。右足のつま先を外側に開かずに、ターゲットラインに対して直角になるように構えます。
これは「ホーガン・スタンス」と呼ばれるもので、ベン・ホーガン※がこのスタンスをとっていたことで知られています。
※ベン・ホーガン(1912年-1997年)・・・メジャー通算9勝、PGAツアーで64勝を挙げたアメリカ出身のゴルファー。
自身のゴルフ理論をまとめた著書「Five Lessons, Modern Fundamentals of Golf」(日本語訳版『モダン・ゴルフ』)は多くのゴルファーに影響を与えたと言われている。
ベン・ホーガンは何故このスタンスにしたのか・・・ということですが、ホーガンは自分のバックスイングが少し大きすぎると考えていたようです。
そこで、バックスイングをある程度短くする、コンパクトにするために考えたのが、右足のつま先をターゲットラインに対してスクエア(直角)にするということでした。
ただ、この「ホーガン・スタンス」はプロや体の柔らかい人などにはよい結果になることもありますが、一般のアマチュアの方にはあまりおすすめできないかも知れません。
右足のつま先をターゲットラインに対して直角にすることで、バックスイングが制限されて(小さくなって)しまい、飛距離が落ちてしまうことがあるためです。
そういう意味で、この「ホーガン・スタンス」はオーバースイングを直したいという方やシングルの方、プロ以外はできれば、避けた方がいいかも知れません。
つま先の開き方とその基準
さて、最後に両足のつま先の開き方、左足、右足の向きがスイングに与える影響について、少しご紹介したいと思います。
右利きの方の場合になります。
【右足のつま先】
右足のつま先はバックスイングの大きさに関係してきます。
右足のつま先を開けば開くほどに、バックスイングで体を右に回転させやすくなります。
ですので、体が硬い方などはつま先を多めに(15度~20度程度)開くといいかも知れません。
【左足のつま先】
左足のつま先はダウンスイングからフォロースルーに対して大きな影響を与えます。
左足のつま先を開けば開くほどに、ダウンスイングからフォロースルーにかけて、体を左に回転させやすくなります。
ですから、プッシュアウトやプッシュアウト・スライスなどを打っている方は左足のつま先を少し余計に開いてあげると、そういった問題が改善することがあります。
ただし、あまり開きすぎてしまうと、今度はバックスイングを制限することになりますので、その点は注意が必要です。
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