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トラブル解決編

池越え、谷越えのショットの打ち方と4つのコツ

前回、池越え・バンカー越えのアプローチショットの打ち方では、池越え、バンカー越えのアプローチショットの打ち方についてご紹介しました。

前回ご紹介したのは、フルショットではなく、50ヤードなど、中途半端な距離からのアプローチショットの打ち方でしたが、今回は、ティーショットを含めたフルショットを前提に、池越え、谷越えのショットの打ち方についてご紹介したいと思います。

池越えになると、途端にダフリやトップが増えて、池ポチャをしてしまう・・そんなこともあるかも知れません。

池を前にすると、ダフリやトップが多くなるということは、何か池越え(または谷越え)のショットの時だけ、いつもとは違うことをしているということになると思います。

今回は、そんな池越えのショットでミスが多くなる原因についてや、池越え、谷越えのショットの打ち方のコツについてご紹介してゆきたいと思います。

それでは早速見てゆきましょう!

1)池越えのショットが苦手な人とそうではない人の違いとは?

前回の池越え・バンカー越えのアプローチショットの打ち方でもご紹介しましたが、池越えのショットが苦手という人と、池越えのショットを全く苦手にしていない人にはある大きな違いがあります。

それは何だと思いますか?

実は、池越えが苦手ですと言う方に、ショットの前に何を考えていましたか?というと、大抵は、「池に入れたくないと考えていました」「池は越えて欲しいと思っていました」といった答えが返ってきます。

そして、そういった方々は、池に入れたくない、池は越えたいという気持ちから、池を頻繁に見ていることが多いようです。

一方、池越えのショットを全く苦手にしていない人に同じことを聞くと、池越え(または谷を越える)までの距離などは把握していても、ショットの前に池のことを考えている人は殆どいませんでした。

この人達は、池越えを苦手にしている人達に比べると、池を見ている時間が圧倒的に少ない傾向にありました。

じゃあ、この人達は何を見ていたかというと、「ターゲット(目標)」です。

気持ちを向けた先に、意識を向けた先に、ボールは飛んでいきやすいようです

池越え、谷越えのショットが苦手という方も、池や谷の場所、池や谷を越えるまでの距離を把握することは重要だと思いますが、一度確認したら、それ以上池や谷に意識を向けるのはやめて、ボールを落としたいスポット、または、ターゲットに意識を向けてみてください。

具体的には、池越え、谷越えのショットの前に自分自身に対して、「ターゲットはどこだ?」と問いかけます。

脳は問いかけには非常によく反応してくれますので、「ターゲットはどこだ?」と自分に問いかけてみると、意識もターゲットに向かいます。

すると、不思議と池越えのショットの緊張が和らいでくることがあります。

意識を向ける先を変える・・という簡単なことなのですが、緊張感は大きく変わってきます。

2)ボールを低く打ち出す

池越えや谷越えではダフリやトップが多くなることがありますが、このミスの一番の原因はすくい打ちです。

池や谷を越えようとして、ボールをすくい上げようとして、ミスをする・・・というケースが非常に多いです。

この場合は、ボールを上げたいという気持ちとは逆のことをすると、ボールをクリーンにとらえやすくなります。

具体的には、クラブについているロフト角がボールを上げてくれると信じて、あえてボールを低く打ち出そうとしてみます。

その際は、ヘッドをインパクトの後も低く出そうとしてみるといいかと思います

すくい打ちをしようとすると、トップやダフリが増えてしまいますし、ドライバーの場合はプッシュアウト、プッシュアウト・スライスの原因にもなります。

池越えや谷越えのショットではあえて、低く打ち出そうとしてみるとよりボールをクリーンにとらえやすくなると思います。

3)ヘッドアップ、ルックアップをやめるには?

インパクト前(または前後)に頭を上げてしまうことをヘッドアップ、顔や頭が目標方向に向いてしまうことをルックアップと言いますが、ヘッドアップもルックアップも、池越え、谷越えのショットのミスにつながることがあります。

ヘッドアップ、ルックアップしてしまう原因も色々とありますが、その一つは、池を越えるだろうか・・・という不安から、ボールの行方を追ってしまうことになります。

ただ、ヘッドアップしてしまうと、体が浮き上がってしまってトップしたり、それを防ごうとして今度はダフったりすることがあります。

また、ルックアップをしてしまうと、顔がターゲット方向に向くのと一緒に、クラブフェースも開いてしまいやすく、スライスなどのミスにつながることもあります。

この2つを防ぐには、インパクトに集中すること・・・なのですが、ただインパクトに集中してくださいといっても、なかなか実践するのは難しいかも知れません。

じゃあ、どうしたらいいか?

・・・ということですが、「インパクトの音を聞こうとしてみる」のも1つの方法です。

まずは、練習場などで、ボールがどこに飛んだか・・ということは置いておいて、インパクトの音を聞くことだけを目標にスイングしてみます。

インパクトの音を聞こうとしてみるとわかりますが、自然と頭が残りやすくなると思います。

実際の池越えのショットでも、インパクトの音を聞くことを目標にしてみてもいいかも知れません。

また、インパクトの瞬間、フェースがボールに当たってつぶれているところを見ようとしてみるのも良い方法だと思います

もっとも、肉眼ではインパクトの瞬間は見えません。

ただ、その瞬間を頭(イメージ)の中で見ようとしてみます。

クラブフェースがボールに当たって、ボールがつぶれている瞬間を見ようとしてみるのです。

このイメージの中でインパクトの瞬間を見る・・ということをすると、頭はインパクトで自然と残るようになると思います。

4)緊張を和らげるにはどうしたらいいか?

池越えや谷越えのショットでミスが多くなるのは、緊張も大きく関係していると思います。

緊張して体が硬くなって・・思うようにスイングできないことはゴルフではよくあることだと思います。

ではどうやったら、緊張を和らげることができるでしょうか?

いきなり矛盾するようなことを言うようですが、そのためには、「緊張してもいい」と思うことだと思います。

緊張は、否定すると大きくなるという特徴があるからです

つまり、「緊張しちゃだめだ」と緊張していることを否定しようとすると、余計緊張したりします。

ですが、反対に「緊張してもいい」と緊張していることを肯定してみると、不思議と緊張はそれ以上大きくならず、場合によっては和らいでゆくこともあります。

ただ、緊張は全部はなくなりません。適度な緊張は残ります。

しかし、それでいいと思います。

というのも、スポーツなどでは緊張は適度にあった方がパフォーマンスが上がるということがわかっています。

ゴルフでも、自宅にいるようにリラックスした状態でショットが打てることが良い結果になるとは限りません。ある程度、緊張感があった方がよいショットになることが多いように思います。

緊張を和らげる2つの方法

さて、緊張を和らげるためには、まず、緊張してもいいと緊張を肯定することがポイントになります。

次にできることですが、2つ、よい方法があります。

1つは、重心を下げるということになります。

緊張した状態は、あがっている状態でもありますが、あがっている時は、重心の位置も上がっていることが多いです

その場合は、重心を下げてあげると、緊張が和らいでゆくことがあります。

重心を下げる方法ですが、一番簡単なのは、その場で何度かジャンプしてみることです。

スポーツ選手が試合前などにジャンプしているのを見ますが、あれと一緒です。

何度かジャンプすると、上がっていた重心が下がります。

重心をそうやって下げた上でショットを打ってみると、案外落ち着いて打てるようになると思います。

もう1つは、体の動きを止めないということになります。

緊張した時はどうしても、体の動きが止まってしまったりします。

ショットの順番を待っている時もそうですし、アドレスに入ってからテークバックをはじめる前に固まってしまったりすることもあるかも知れません。

緊張した時は、意識して、体の動きを止めないようにすると、スムースにスイングに入ってゆけることがあります。

ショットの順番を待っている間も、打っている人に見えない範囲で、軽く足踏みをしたり、体を揺らしてみるのもいいと思います。

プロの中でも、試合中は意識して体の動きを止めないようにしている人もいます。

また、アドレスに入ってから、テークバックをはじめるまでの間も完全に止まってしまわないようにします。

完全に静止した状態から動き出すのは、案外難しく、リズムを崩しやすいです。

ですので、ワッグル※をするなどして、体を完全に静止させないようにします。

※ワッグルとは、(ショットを打つ前に)クラブヘッドを左右に動かす動作のことを言います。

ワッグルをする意味とその効果

また、アドレスに入った後に、つま先を交互にパタパタを浮かせる動きをするのもおすすめだと思います。

アドレスに入ってからは、両足を大きく動かしたりはできないわけですが(それをやってしまうと、アドレスをやり直さないといけないので)、つま先だけ、パタパタと交互に動かしてみます。

例えば、つま先をワン・ツー、ワン・ツーと交互に動かして、スイングをスタート・・・というのもいいかも知れません。

どのような形でもいいのですが、アドレスに入る前もアドレスに入ってからも、体を完全に静止させないようにすると、スムーズにスイングに入れるようになると思いますし、スイングにもよいリズムが生まれることがあります。

スムーズなスイング、リズムのよいスイングをする(ための工夫をする)・・ということもまた、池越え、谷越えでよいショットを打つための大事なポイントではないかなと思います。

考えても実践できないことを考えるほど緊張が高まり、体が動かなくなる

冒頭で、池越えが苦手な方は、「池に入れたくない」「池は越えて欲しい」といったことを考えていることが多いと書かせていただきました。

実は、池に入れたくない、池を越えて欲しいと思うほどに、緊張は高まります。

というのも、人は、考えても実践できないことを考えるほど、緊張が高まるようにできているからです。

「池に入れたくない」と思うことの中にも、「池を越えて欲しい」と思うことの中にも、これから自分が実践できることが何一つ含まれていません。

この場合は、自分に実践できないことではなく、これから自分で実践できることを考えると、集中力が高まって、結果的に緊張が和らいでゆくことがあります

自分で実践できることですから、例えば、「ゆっくりテークバックしよう」でもいいですし、先ほどのように「ヘッドを低く出してゆこう」でもいいです。

では、「池に入れないようにしよう」はどうでしょう?

これはダメです。

そう思ってみても、今から実践できることが何もないからです。

そうではなくて、自分で今から実践できることを考えてみます。

緊張した時ほど、今、自分が実践できることを考えるようにしてみると、集中力が高まって、緊張が薄れてゆくと思います。

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