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トラブル解決編

力を抜くと飛ぶ、脱力スイングは飛ぶは本当か?力を入れないコツも

前回、力まない!力を抜くための4つの簡単な方法ではゴルフと力みについてご紹介しました。今回は、

の4つについて解説していきます。

目次

「力を抜くと飛ぶ」「脱力スイングは飛ぶ」は本当か?

最初に結論からお伝えすると、力を抜くと飛ぶというのは、余計な力を抜くと飛ぶという意味で、本当に力を抜いてしまったら、飛距離は落ちると思います。

力がいらないということであれば、小さな子供でもプロ並みに飛ばせることになりますが、そんなことはないわけですよね。

「脱力スイング」なんて言葉もありますが、脱力とは「体から力が抜けて、ぐったりしてしまうこと」(デジタル大辞泉 小学館)という意味があります。

勿論ですが、そんなことになったら、スイングどころではありません。ただ、この脱力スイングの脱力とは、同じように余計な力を抜いた状態のことを言っていると思います。

ところで、突然ですが、プロのインパクト前後の写真をご覧になったことはありますか?

実は以前、タイガー・ウッズなども含めた国内外の男女のトッププロ50人のインパクト直前からインパクトまでの表情を分析したことがあるのですが、殆ど、9割以上の選手は力が入っていることがわかる表情をしていました。

歯を食いしばっているプロもいれば、中には鬼のような形相をしているプロもいました。

軽く振っているように見える女子プロでさえ、インパクト直前からインパクトまでは特に、力が入っているのが一目でわかる表情をしていたんですね。

つまり、プロも力を入れて打っているわけです。

力を抜いて打っているわけではなく、脱力した状態で打っているわけでもなく、力を入れている。むしろ、力を入れる必要があると思います。ボールを飛ばすためには。

ただ、プロの場合は、必要な力を入れて打っているのであって、余計な力を入れて打っているわけではありません。

力を抜くと飛ぶというのは「余計な力を抜くと飛ぶ」という意味だと思います。

また、脱力スイングは飛ぶというのも同じように「適度に力を抜いた状態の方が飛ぶ」という意味だと思います。

余計な力が入っているかどうかのチェック方法

さて、余計な力を抜くと飛ぶということですが、力が入りすぎると、筋肉が硬くなってしまいます。

硬くなった筋肉は速く動かすことができないのでスイングスピードは落ちて、飛距離も落ちます。

ですから、力が入りすぎている場合は、適度に力を抜いていただくと、飛距離がぐっと伸びることがあります。

勿論、先ほど書かせていただいたように完全に脱力したような状態ではむしろ飛ばなくなります。ただ、適度に力が入った状態、もしくは適度に力を抜いた状態では筋肉のパフォーマンスも上がって、ヘッドスピードも出やすくなります。

では、余計な力が入っているかはどうやったらわかるでしょうか?

そのためには2つのチェック方法があります。

1)クラブの重さを感じられるか?
2)フェースのどこにボールが当たっているかわかるか?

1)クラブの重さを感じられるか?

これは力まない!力を抜くための4つの簡単な方法でもご紹介した方法になります。

チェックポイントは2つあって、1つはアドレス時、2つ目はスイング中です。

アドレスの際、少しクラブヘッドを地面から浮かせてみます。この時、クラブヘッドの重さを感じられるのであればOKです。

ヘッドの重さをあまり感じられないのであれば、力が入りすぎている可能性があります。

腕に力が入っていたり、グリップを握る力が強すぎるとヘッドの重さを感じられませんので、その場合はヘッドの重さがわかる程度まで力を抜いてみます。

また、スイング中にクラブヘッドの重さを感じるということも大切になってきます。

ただ、多くの場合は、アドレス時に適度に力を抜くことができれば、スイング中にヘッドの重さが感じられないという問題も自然と改善されますので、まずはアドレス時にクラブの重さを感じることを優先するといいかも知れません。

2)フェースのどこにボールが当たっているかわかるか?

フェースのどこにボールが当たっているかわかるか?というのも余計な力が入っているかどうかを判断する上では重要なチェックポイントになります。

特にグリップを強く握りすぎているとフェースのどこにボールが当たっているかわからなくなったりします。

何故、グリップをそこまで強く握りすぎてしまうかというと、それはショットを打つことへの不安が原因になっていることが多いのではないかなと思います。

ショットを打つことそのものへの不安もそうですし、ミスショットが出ないかという不安からクラブを強く握りすぎてしまっているケースも多いと思います。

その場合は、力を抜いてくださいと言っても難しいと思います。

ではどうしたらいいかと言ったら、ショットを打つことへの不安がある人の場合は、まずは練習場のティー打ちをしてみるといいかも知れません。

ティーを打つ練習をする際、クラブヘッドの重さを感じられる程度まで力を抜くようにしてみます。

それができるようになってきたら、ボールを打つようにしてみるといいと思います。

ミスショットへの不安から、またはミスを防ごうとしてグリップを強く握りすぎている場合は、まずはミスショット、例えば、スライスであれば、スライスを改善させることを優先させてみるといいと思います。

ミスショットを直す方法については、スライスの直し方編トラブル解決編にて色々とご紹介していますので、よかったらそちらを参照ください。

何故、女子プロは軽く振っているように見えるのに飛ぶのか?

少し話は変わりますが、女子プロは軽く振っているように見えますが、何故、あれほど飛ばすことができるのでしょうか?

女子プロと男子アマチュアのヘッドスピードを比べると、男子アマチュアの方が速かった・・そんな調査結果があります。

下記は少し前のデータですが、女子プロと男子アマチュアのヘッドスピードや飛距離など細かいデータを比較したものです。(参照/出典:Golf Today 丸ごと一冊!飛距離アップ大作戦 完全保存版)

 

ヘッド
スピード

ボール
初速
打ち出し角 スピン
(回転)
キャリー トータル
飛距離
女子プロ 42.9m/s 62m/s 14度 2500 234.5y 250.5y
男子アマ 45m/s 60.75m/s 12度 4000 218.1y 229.7y

上の表を見てもわかりますが、女子プロの方がヘッドスピードは遅いのに飛距離が出ています。しかも、男子アマより20ヤードも飛んでいます。

これは何故かというと、上のデータにその理由が隠れていて、主な要因は3つあります。

1)バックスピン量

女子プロは2500回転と理想的なのに対して、男子アマチュアは4000回転。これだとボールが吹け上がってしまい、飛びません。

男子アマのバックスピン量が多いのは、フェースがインパクトで開いていること、また、インパクトでヘッドが上から入っていることが原因だと思います。

2)打ち出し角

女子プロは14度であるのに対して、男子アマチュアは12度です。

これはどういうことかと言うと、女子プロはボールを横から払うように打っているか、もしくは若干アッパーブローで打っているのに対して、アマチュアは大袈裟にいうと上から振り下ろすような打ち方になっているのだと思います。

3)ボール初速

男子アマチュアはヘッドスピードが速いのに、ボール初速では女子プロに負けています。

これは簡単に言うと、芯を外しているということだと思います。

この3つについては、同じようなヘッドスピードでも250ヤード飛ばす女子プロとアマの差にてもう少し詳しくご紹介していますので、よかったらそちらもご覧ください。

ただ、いずれにしても女子プロが軽く振っているように見えるのは、実際にヘッドスピードが男子アマよりも遅いからで、それでも飛ぶのは、1)バックスピン量、2)打ち出し角、3)ヘッドスピードに対するボール初速が最適な状態だから、だと思います。

アドレスをした時に余計な力を抜く方法

さて、アドレスでどうしても余計な力が入ってしまう時はどうしたらいいでしょうか?

その方法ですが、2つあります。

1)体の動きを止めない
2)アドレスに入る前に力を抜く

どういうことか少し詳しくご紹介したいと思います。

1)体の動きを止めない

アドレスでガチガチに力が入ってしまう人を見ていると、アドレスで静止してしまっている人が多いんですね。

じゃあ、プロはどうしているかといったら、打つ前(アドレス時)はワッグルをしていたり、足をパタパタさせていたり、体を小刻みに動かしていたり・・と体のどこかを動かし続けていて、完全に静止していないんですね。

そうやってアドレスの際も体の動きを止めないことで、余計な力を抜いていたり、体を適度にリラックスさせようとしているわけです。

ですので、アドレスで余計な力が入ってしまう人はプロのように動きをできるだけ止めないようにするといいと思います。

そのためにはワッグルをするのもおすすめですし、アドレスの際に足をパタパタと動かしてみるのもおすすめです。(両足のつま先を交互に上げたり下ろしたりするのもおすすめ)

そうやって体のどこかを動かしながらアドレスを作ってゆき、そのままスイングをスタートさせる・・そういった形にしていただくと、余計な力が入りにくいと思います。

2)アドレスに入る前に力を抜く

アドレスで余計な力が入ってしまう場合のもう1つの対処方法はアドレスに入る前の段階で力を抜くようにするということです。

そのためにできることについては力まない!力を抜くための4つの簡単な方法にて詳しくご紹介していますので、よかったらそちらを参照ください。

ただ、ここで1つだけご紹介するとすると、わざと一度力んで、その後にスッと力を抜くようにすると効果的に力を抜くことができます。

これは筋弛緩法(きんしかんほう)と呼ばれる方法で、他のスポーツでも利用されているリラクゼーション法になります。

体全体に力を入れて、その後にスッと力を抜いてもいいですし、手や腕に力が入ってしまう人は手や腕に一度ぐっと力を入れて(わざと力んで)、その後にスっと力を抜いてみるといいと思います。

その他にも力を抜く方法がありますが、そられについては上記の記事でご紹介していますので、よかったらそちらをご覧ください。

スイング時に余計な力を抜くには?

ではスイング中に余計な力が入ってしまう場合はどうしたらいいか?

ということですが、アドレスで適度に力を抜くことで、スイング中に余計な力が入ってしまう問題が改善することが多いです。

それでもどうしても力が入ってしまう場合は、先ほども書かせていただいた通り、ショットを打つことそのものへの不安であったり、ミスショットに対する不安、もしくは、ミスショットを防ごうとしていることが原因になっている可能性があります。

その場合は繰り返しになりますが、ショットを打つことへの不安がある人の場合は、練習場のティー打ちがおすすめ。ティーを打つ際は、クラブヘッドの重さを感じられる程度まで力を抜くようにしてみます。

それができるようになってきたら、ボールを打つようにしてみます。

ミスショットへの不安から力が入りすぎている場合や、ミスを防ごうとして力が入りすぎてしまう場合は、力が入りすぎてしまう問題よりも先にミスショットを改善することから始めてみるといいかも知れません。

例えば、スライスであれば、スライスを改善することを優先させてみます。

ミスショットが改善されることで(安定したショットが打てるようになることで)、自然と余計な力が抜けてくると思います。

ミスショットを直す方法については、スライスの直し方編トラブル解決編などで色々とご紹介していますので、よかったらそちらを参照ください。

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