ゴルフのラウンド前の3つの練習。ストレッチ、ショット、パットの練習について
ラウンド前の練習、どんなことをしていますか?
プロを見ていると、ラウンド前は入念に練習しているのがわかります。
アマチュアの場合は、練習する人もいれば、練習しない人もいます。
どちらがいいか?
・・と言われると、それはその方の好みや、やり方もあると思うので、一概にこうした方がいいとは言えませんが、ただ、ラウンド前の練習はしておいて損はないと思います。
今回はそんなラウンド前の練習方法について、どんな練習をしたらいいか?ショットやパットの練習から、ストレッチについてもご紹介したいと思います。
ラウンド前にする3つの練習
さて、まず、ラウンド前の練習ですが、大きく3つにわけることができます。それらは、
1)準備運動(ストレッチ)
2)ショットの練習
3)パットの練習
の3つになります。
それぞれについて少し詳しく見てみたいと思います。
ラウンド前の練習で一番最初にやることが簡単な準備運動(ストレッチ)になります。
他の2つは時間がない場合は省略しても、この準備運動だけはやっておいた方がいいかも知れません。
筋肉は、冷えた状態だと思うように動いてくれませんので、最低でも朝一のティーショットの前に体を温めておきたいところです。
さて、準備運動というとストレッチを思い浮かべる方もいらっしゃると思います。
ただ、これはゴルフの前のストレッチは逆効果?!でも書かせていただいたのですが、基本的にはいきなりストレッチをするのは逆効果です。
それはむしろ怪我につながってしまう可能性もあります。
その理由についてはゴルフの前のストレッチは逆効果?!で詳しく書かせていただきましたので、今回は簡単にご紹介しますが・・
ストレッチには2つの種類があります。
静的ストレッチ
1つは静的ストレッチです。
多くの方が想像するストレッチがこのタイプだと思います。反動をつけずに、腕を伸ばしたり、足を伸ばしたり・・・といった一般的なストレッチです。
下の写真は静的ストレッチの例。
この静的ストレッチは柔軟性を高める効果や緊張をほぐして筋肉を緩める効果があります。
このストレッチの大事なポイントとしては、筋肉がある程度温まった状態で行うということになります。
筋肉はよくゴムに例えられますが、筋肉も冷えた状態だとゴムと一緒であまり伸びません。
その冷えた状態、伸びない状態で筋肉を無理に伸ばそうとすると、むしろ怪我につながってしまうこともあります。
プロスポーツ選手でも試合前にストレッチをしている姿を見ますが、あれは、ジョギングなどをして体が温まった状態でしていることが殆どです。
ゴルフのラウンド前も体が冷えた状態で筋肉を無理に伸ばそうとするとむしろ、体がうまく動かなくなったりすることがありますので、静的ストレッチをいきなりやることは避けた方がいいと思います。
動的ストレッチ
もう1つが動的ストレッチです。
この動的ストレッチは筋肉の温度を上げてくれますので、ウォーミングアップ、準備運動としては最適なストレッチになります。
では動的ストレッチとはどんなものか?
ということですが、反動をつけながら体を動かすストレッチのことです。
簡単にいうとラジオ体操がそうです。
ですので、ラウンド前もラジオ体操をするのも良い方法だと思います。
また、動的ストレッチにも色々な種類があって、簡単にできるものも沢山ありますし、そういったストレッチについて解説している本や動画も沢山ありますので、そういったものを参考にしていただいてもいいかも知れません。
それから、これも上記の記事で書かせていただきましたが、ショートアイアンなどを2本持って、ゆったりと素振りをするのもおすすめです。
その場合も、目的は筋肉を温めることですので、速く振る必要はありません。ゆっくりと振ってください。
ここまでを簡単にまとめると、準備運動の目的は筋肉を温めること。そして、そのためには、静的ストレッチではなく、ラジオ体操のような動的ストレッチがおすすめです。クラブを2本持ってゆっくり振るのも◎
準備運動が終わった後は、ショットの練習になります。その次がパットの練習になりますが、この順番は逆でも結構です。
最初にパットをする人もいますし、最初にショットの練習をして次にパットをする人もいます。
先ほど、体を温めるために準備運動をすると書かせていただきましたが、寒い日などは一旦体を温めてもすぐに冷えてしまったりします。
その場合は、①パット、②準備運動、③ショット・・・という順番でもいいかも知れません。
ちなみにプロキャディの清水重憲さんによると、女子プロの場合は、パット、次にショット、アプローチをやって、再びパットで締めるというパターンが大多数だそうです。
一方、男子プロの場合は、ショット練習から始めて、アプローチ、パットというパターンが主流なのだそうです。
さて、ラウンド前のショットの練習についてですが、4つ、ポイントがあります。
①打つクラブ
まず、ラウンド前の練習で使うクラブですが、全部のクラブを打たなくてもいいと思います。
プロでも全番手をくまなく打つ人はあまりいません。
おすすめは、サンドウェッジ(または他のウェッジ)、ショートアイアン、ミドルアイアン、フェアウェイウッド(またはユーティリティ。使う頻度が高い方)、ドライバーの5本を打つということです。
時間がない場合は、ショートアイアン、ミドルアイアン、ドライバー(or フェアウェイウッドなどティーショットで最も使うクラブ)の3本でもいいかも知れません。
もう1つ、注意点というか、ポイントがあるのですが、それは難しいクラブはあまり打たないようにする・・ということになります。
これもプロでもそうですが、基本的にはウェッジでのショットが多く、反対に難しいクラブ(例えば、ロングアイアンなど)はあまり打ちません。
難しいクラブだと、いいイメージがつきにくいためです。
そのため、スタート直前の練習としては、できるだけ簡単なクラブで打つ回数を増やしてみるといいかも知れません。
②タイガー・ウッズもやっていたこと
打つ際のポイントですが、まずは、ショートアイアンから打ってゆき、最後にドライバーという順番でいいかと思います。
振りやすく、芯に当たりやすいショートアイアンで体を温めて(慣らして)から、長いクラブを打ってゆくようにします。
それからこれはタイガー・ウッズが練習する際、特に長いクラブを練習する際にやっていたことですが、最初はスイングスピードをかなり落として、まず、クラブの芯でボールをとらえてから、徐々にスイングをスピードを上げてゆくことがおすすめです。
スイングスピードを5割程度にしてゆっくり振りながら、または、ハーフスイングからスタートしてもいいですが、そのような形でまず、飛距離は関係なく、フェースの芯にボールを当てることに意識を向けて練習します。
芯に当たるようになってきたら、徐々にスイングスピードを上げてゆきます。
このような形で練習すると、その日の調子も上がってゆきやすく、おすすめです。
反対にいきなり飛ばそうとして、フルスイングしようとすると、かえって芯を外したり、スイングの調子を崩したりすることがありますので。
③ボールは1カゴ打てば十分
ボールは1カゴ、または数十球程度打てば十分だと思います。
それ以上の球数を打っても体が疲れてしまって、良いスコアにつながらないことも多いかも知れません。
ちなみにプロの場合は、練習場で打つのは40球程度。多くても50球程度。
このうちの半分はウェッジ(サンド、アプローチ、ピッチング)で打つことが多いようです。
先ほどもご紹介した優勝請負人と言われたプロキャディ、清水重憲さんによると、ウェッジを打つ回数が多いのは、短くて重いクラブで体をほぐすという理由や、スコアメイクをする上で重要なクラブだから・・といった理由が多いそうです。
④練習の最後に
これはタイガー・ウッズを10年間に渡って指導した、ブッチ・ハーモンが語っていたことですが、タイガーは試合前の練習の最後のショットでは必ず、その日、朝一で打つショットを想定して、実践と同じように打っていたそうです。
ラウンド前の練習の際ですが、あと数球(で練習を終える)というところで、タイガーと同じように、その日、最初に打つショットを想定して、イメージして、実践と全く同じように数球、打ってみるのもいいかも知れません。
その際は、その日、最初に打つショット、またはその状況を明確に頭の中でイメージして打つと非常に効果的です。
アドレスに入る際も実践と同じルーティンを行うのもいいと思います。
それから、余裕があれば、バンカーショットやアプローチの練習もできたらいいかも知れません。
ただ、バンカーショットやアプローチの練習ができないゴルフ場もあるかも知れません。
その場合は、ショットの練習をする際にアプローチショットも何球か打っておくといいかと思います。
ここで簡単にまとめると、ラウンド前のショットの練習は、
- サンドウェッジ、ショートアイアン、ミドルアイアン、フェアウェイウッド(またはユーティリティ)、ドライバーの5本を打つ
- 最初はスイングスピードを落として、芯で当てることに集中し、その後で徐々にスイングスピードを上げてゆく
- ボールは1カゴ打てば十分
- 練習の最後に実践をイメージしてショットを打ってみる
といったことがポイントになります。
ラウンド前のショットの練習で大切だと言われていること
次のパットの練習の前にラウンド前のショットの練習で大切だと言われていることについて少しご紹介したいと思います。
ラウンド前の練習ですが、その日の自分の調子をつかむことを第一にするといいと言われています。
ラウンド前の練習では、つい、出てしまったミスショット(スライス)などを直したくなってしまうものです。
ただ、そうではなくて、例えば、ボールの曲がり具合など、その日の自分の状態を確認するだけでいいと、よく言われます。
僕(筆者)もそう思うところもあるのですが、ただ、やはり、ラウンド前にミスが出たりすると気になるものかも知れません。
じゃあ、その場で例えば、スライスを直そうとしたらいいか?というと、その時間は恐らくないと思うのです。
ではどうするか?ということですが、これは初心者の方にはあまりおすすめはしませんが、中級者以上の方であれば、自分になりに対処法、またはプランBのようなものを予め用意しておくのも一つの方法かなと、思います。
例えば、ラウンド前の練習でスライスが出たとします。
この場合、その右に曲がるボールを使ってその日はプレーする・・というのが、多くのレッスンプロや専門家などがすすめする方法になると思います。
そして、それも一つの方法だと思います。
もう1つは、プランBを使うという方法です。
例えば、もし、朝の練習でスライスが出た場合は、少しクローズスタンスにして打ってみる・・という自分なりの対処方法を持っておきます。
そして、そのプランBでショットを打ってみて、スライスが改善された場合は、その日はその打ち方でプレーしてみる・・・という方法です。
この場合、スタンスを変えるだけではなくて、何でもいいと思います。
ボールを少し左右に置いてみる・・でもいいですし、ハンドファーストの度合いを少し強くして構える・・でもいいし、アドレスで右肩をいつもより若干下げるようにしてみる、でもいいですし。
ただ、いずれにしても、打ち方を変えるのではなく、構え方のどこかを変えるのがポイントになります。
もっとも、このプランBを使う作戦はリスクも伴います。
勿論、事前にその練習をしておくというのが前提ですが、それでも当日に構え方を変えるわけですので、リクスがあります。
ただ、当日の自分の状態なりにプレーするのがセオリーだとはわかっていても、スライス(など当日の朝に出たミス)を気にしてプレーしたくないという方の場合は、そんなプランBを用意しておくのも一つの方法かも知れません。
ラウンド前の練習の3つ目がパットの練習になります。
パットの練習を省く人もいますが、その日のグリーンの速さであったり、感覚をつかむためにパットの練習をするのもおすすめです。
ラウンド前のパットの練習の一番の目的は、その日、またはそのコースのグリーンの状態、速さをつかむことです。
ですので、距離感を合わせることが一番のポイントになります。
距離感を合わせてゆくための方法ですが、ロングパットを打ってゆく方法と、短い距離から距離感を合わせてゆく方法があります。
これは、どちらでもいいと思います。
ただ、ロングパットが苦手という方の場合は、まずは、短い距離(50センチ程度)から距離を合わせてゆくのもおすすめです。
50センチ程度なら、距離を合わせるのはそんなに難しくないと思います。
その距離で距離感が合ったら、次はもう少し離れてみます。そうやって徐々にカップから離れてゆく方が距離感がつかみやすいと感じる方もいます。
それから、ショートパットですが、これも練習しておいてもいいかも知れません。ただ、入る入らないはそれほど気にしない方がいいと思います。
大事なのは、思う方向に打ち出せたかどうかで、入ったか入らないかは、自分でコントロールできない要素が絡んでくることも多いです。(ショートパットでもグリーンの見えない凹凸が原因で外してしまうこともあります。そして、それを自分のミスだと勘違いしてしまうことも)
ですので、ショートパットなどの場合は自分でコントロールできること、例えば、インパクトでフェースをスクエアにする、ボールをこの方向に打ち出す・・・といったことだけに集中して、入った入らないは気にしない方がいいのかなと、思います。
その方がその日のパットの調子が上がりやすいのではないかなと、思いますので。
ここで簡単にまとめると、ラウンド前のパットの練習の一番の目的は距離感を合わせること。ショートパットは、自分でコントロールできることに意識を向けることがポイントです。
さて、ここまでラウンド前の練習について色々と見てきました。
最後に、練習を終えてからスタートホールでのティーショットまでに注意したいことが2つあります。
1つは体を冷やさないことです。
ですので、練習する際は、スタートの時間から逆算して、練習をスタートするといいかと思います。
もう1つは体の動きを止めないこと、になります。
体を冷やさないため・・もそうなのですが、スイングによいリズムを作るためにも体の動きをできるだけ止めない方がいいかも知れません。
ゴルフ以外のプロスポーツ選手でも、試合がはじまる前に完全に静止している人は少なく、何かしら体を動かしていることが多いと思います。
ゴルフの場合も、試合中は体を軽く動かし続けて、完全に止まらないようにする・・というトッププロもいます。
特にティーイングエリアに上がってからが重要で、他のプレーヤーに見えない範囲、邪魔にならない範囲で、軽く体を揺らしたり、軽く足踏みしたりしながら、体をわずかでいいので、動かし続けると、スイングによいリズムが生まれることが多いです。
よかったらそんな点にも注意してみてください。
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