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ショートゲーム編

サンドウェッジでアプローチショットを打ってもいいか?

グリーン周りのアプローチショットを打つ際は、どんなクラブを使っていますか?

以前にGDOが平均スコア90台のゴルファーを対象に行った調査では、

Q:転がすアプローチではどのクラブを使うか?

・SW(サンドウェッジ)を使う 23%
・AW(アプローチウェッジ)を使う 46%
・PW(ピッチングウェッジ)を使う 31%

・・といった結果になっています。

この数値は、またその時々によっても変わってくるものだと思いますが、グリーン周りのアプローチショットでサンドウェッジを使う人はアマチュアゴルファーでもそれなりの数がいます。

今回の記事のタイトルにもしましたが、サンドウェッジでアプローチショットを打ってもいいかどうか?

・・ということですが、サンドウェッジでグリーン周りのアプローチショットを打っても問題ありません。

プロの中には、グリーン周りはサンドウェッジ1本しか使わないという人もいます。

ただ、サンドウェッジでアプローチショットを打つ場合ですが、いくつか注意点があります。

サンドウェッジでアプローチショットを打つと、場合によっては、ダフりが出たり、トップが出てしまうケースもありますが、今回は、何故、サンドウェッジでアプローチを打つとトップやダフリが出てしまうのか?

また、サンドウェッジを使ってもトップやダフリが出ないように打つためにはどうしたらいいか?

・・ということについてご紹介してゆきたいと思います。

それでは早速、見てゆきましょう!

SWでアプローチショットを打つとダフリやトップが出やすいのは何故?

サンドウェッジでアプローチショットを打とうとすると、ダフリやトップが頻繁に出てしまう・・という方もいます。

そんな方に、サンドウェッジ以外のウェッジでアプローチを打つようにしていただくと、そのダフリやトップが大幅に改善されることがあります。

これは何故なのでしょうか・・?

これには、実は、サンドウェッジに備わっているバウンスと呼ばれるモノが関係しています。

サンドウェッジは、バンカーショットを簡単にするために1933年に開発されたクラブなのですが、他のウェッジと違う点はこのバウンスと呼ばれる部分がある点です。

下の写真は、世界ではじめて開発されたサンドウェッジ。当時はサンドウェッジではなく、サンドアイアンと呼ばれていた。

Reference: www.thegolfauction.com/lot-21464.aspx

ウェッジにあえて砂の抵抗を受ける部分(バウンス)を設けることで、ヘッドが砂に潜りすぎてしまうことを解消させたのが、サンドウェッジでした。

バンカーショットはこの発明によって、飛躍的に簡単になったと言っても過言ではないと思います。

このバウンスがあるからこそ、多少ヘッドを手前から入れたり、上からドスン!とヘッドを入れても、ボールは前に飛んでくれたりします。

バウンス角とは?バウンス角の目安やアプローチショットへの影響も

さて、バンカーショットを簡単にしてくれたバウンスですが、通常の芝の上からのアプローチショットの場合は、反対に邪魔になってしまうこともあります。

バウンスはサンドウェッジの下に出っ張っているわけですが、これをもし、硬い地面の上で構えた場合、このバウンスがあるために、リーディングエッジが浮いてしまいます。

このままショットを打とうとすると、トップ気味でボールに当たってしまったり、フェースの芯で打とうとして、打ち込むとダフったり・・・ということが起きる場合があります。

サンドウェッジのバウンスといっても、みんな同じだけ、出っ張っているわけではなく、このバウンスにも実はクラブによって微妙な違いがあります。

バウンスの大きさはバウンス角を見ればわかるのですが、このバウンス角が大きいものをハイバウンス、バウンス角が小さいものをローバウンスと言います。

特にハイバウンス(バウンス角が大きいもの)のサンドウェッジをお使いの場合は、そのサンドウェッジを芝の上からのアプローチショットに使おうとすると、トップしやすかったり、ダフリやすくなることがあります。

ここまで見ると、サンドウェッジはアプローチショットでは使わない方がいいなと思われた方もいらっしゃるかも知れません。

特に初心者の方の場合ですと、グリーン周りのアプローチショットにはサンドウェッジよりもピッチングウェッジなど他のウェッジの方がおすすめかも知れません。

ただ、サンドウェッジ1本でアプローチショットを打つ・・というこだわりのあるプロも多くいますし、アマチュアでもアプローチショットはサンドウェッジを使う派だ・・という方も多くいます。

もし、やっぱりアプローチショットはサンドウェッジで打ちたいと思われた際ですが、トップやダフリを防ぐためにいくつかの点に注意してみるといいかも知れません。

1)ハイバウンスのサンドウェッジは避ける

先ほどもご紹介しましたが、バウンス角の大きいハイバウンスのサンドウェッジはアプローチショットで使うと、どうしてもダフリやトップが出やすいので、できれば、ハイバウンスのサンドウェッジは避けた方がいいかも知れません。

じゃあ、ローバウンスにすればいいか?ということですが、ローバウンスにしてしまうと、場合によってはバンカーショットが難しくなる場合もありますので、注意が必要です。

ハイバウンス、ローバウンスの目安ですが、バウンス角が10度以上だとハイバウンス、バウンス角が8度以下だとローバウンスと考えていただいてもいいかと思います。

2)硬い地面の上はNG、ふかふかの芝の上はOK

サンドウェッジでグリーン周りのアプローチショットを打つ際の2つ目のポイントですが、硬い地面(土の上や短く刈られた芝の上)からですと、ダフリ、トップが出やすくなります。

その場合はどうしたらいいか・・ということは次にご紹介します。

もし、ボールがふかふかの芝の上に置かれているような状況であれば、バウンスがあっても、問題はないかと思います。(バウンスをそれほど気にせず打っても大丈夫だと思います)

3)ハンドファーストの度合いを強くしてバウンスを殺す

バンスはこんな風にクラブの後方に出っ張っているわけです。

このままアプローチショットを打つと、バウンスが地面について、リーディングエッジが浮いてしまうことになります。

※下の図の赤い部分がリーディングエッジです

すると、トップやダフリが出やすくなります。

この場合ですが、ハンドファーストの度合いを強くしてバウンスを殺してしまう・・というのも一つの方法です。


ハンドファーストとは、アドレスをした際に両手がクラブヘッドよりも前(ターゲット寄り)に来ることを言います。

ハンドファーストの度合いを強くすると、リーディングエッジからボールに入れやすくなります。

アプローチショットの打ち方と構え方の基本とコツでご紹介しましたが、アプローチショットを打つ際、両足は殆どそろえるような気持ちで構えます。

その際、ボールの位置はスタンスの真ん中からそれよりもボール1個分程度右に置くと書かせていただきました。

ハンドファーストの度合いを強くする際は、右足の前にボールを置く、または、スタンス真ん中よりボール1個半から2個程度右に置いてみるといいかも知れません。

それでショットを打ってみて、リーディングエッジからボールに入っていっていると感じた場合はOKです。

もし、それでもトップやダフリが出るようであれば、もう少しボールを右に置いてみてもいいかも知れませんが、その前に、両手の位置が左足太ももの前に来ていることを確認してみてもいいかも知れません

両手がそれよりも右にあると、ハンドファーストの形にはなりませんので、注意してみてください。

それから、この打ち方ですと、リーディングエッジからボールに入れてゆけるのですが、ハンドファーストの度合いが強くなるので、ロフトを立てて、ショットを打つような形になります。

ですので、ボールは低く出ます。

これで無理に高く上げようとすると、トップやダフリの原因になりますので、注意してください。

サンドウェッジ1本で色々なショットを打ち分ける楽しさ

さて、ここまでサンドウェッジでアプローチショットを打つ際の注意点についていくつかご紹介してきました。

ここまで読んでいただいて、バウンスのことを常に気にしながらアプローチを打つのは面倒だと思われる方もいらっしゃるかも知れません。

その場合は、サンドウェッジではなく、他のウェッジでアプローチを打ってみるのもよい方法だと思います。

その方がシンプルに考えられるかも知れません。アプローチショットを。

ただ、プロの中にもアプローチショットはサンドウェッジ1本しか使わないというこだわりがある人もいますが、サンドウェッジで、先ほどご紹介したようにロフトを立てて、ランニングアプローチショットを打ったり、または、ふかふかした芝の上からフェースを開いて、フロップショットを打ったり・・・

※フロップショット・・ボールをふわっと高く上げて打つショット

サンドウェッジの場合は、そんな風にして、1本のクラブで様々なショットが打てるという楽しさのようなものはあるかも知れません。

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