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トラブル解決編

アイアンのスライスの5つの原因と直し方のまとめ

これまでスライスの直し方編では、スライスの原因や直し方について1つづつ詳しくご紹介してきました。

今回は、そんなスライスの原因についてまとめてゆきたいと思います。

また、例えば、ドライバーやフェアウェイウッドはそれほどスライスは出たりはしないのに、アイアンになるとスライスが出る・・ということの原因や直し方についても記事の最後でご紹介したいと思います。

では早速見てゆきましょう。

目次

5つのスライスの原因とその直し方

さて、アイアンのスライスの原因ですが、下記のようなことがスライスの原因となっていることが多いです。


1)ウィークグリップ
2)アドレスの姿勢
3)ボールの位置
4)体の向き(左を向いている/右を向いている)
5)両手の位置(ハンドファースト)

1つ1つ、詳しく見てゆきたいと思います。尚、さらに詳しい原因や直し方についてはスライスの直し方編にてご紹介しています。

また、記事内でご紹介するページはこのページ下部の関連記事のところにまとめておきますので、よかったらそちらを参照ください。

1)ウィークグリップ

これはアイアンに限らず、ドライバーでもフェアウェイウッドでも言えることですが、グリップの握り方というのは、インパクトでのフェースの向きに直結してきます。

インパクトでフェースが開いてしまうことがスライスの1つの原因なのですが、インパクトでフェースが開くということは、フェースが開きやすいようにグリップを握っている可能性が高いと思います

具体的には、ウィークグリップと呼ばれる握り方ですと、多くの場合、クラブフェースがスイング中に開きやすくなります。

アイアンでスライスが出る・・という方の場合は、まず、フックグリップを試してみるのがおすすめです。

それで、フックボールが出るような場合は、その後にスクエアグリップを試してみてもいいかも知れません。

フックグリップやスクエアグリップの握り方については、下記のページにてステップ・バイ・ステップでご紹介しています。

フックグリップ(ストロンググリップ)の握り方
スクエアグリップ(ニュートラルグリップ)の握り方

ただ、今、ここで簡単にフックグリップとは何か?ということをご説明すると、フックグリップとは、

①左手のこぶしの山が3個から3個半見える

構えて、さぁ、ボールを打つぞ・・となった時に両手を見た際、左手のこぶしの山が3個または3個半見える形が1つ目のフックグリップの基準です。(当サイトの基準ということになります)


写真はわかりやすく写すために手を上げて撮影していますが、実際は構えて、さぁ、ボールを打つぞ・・という時に、右手を見て、上の写真のV字を確認してみてください。

②左手の親指と人差し指の間にできるV字が右肩の方を指している

③右手の人差し指と親指でできるV字が右肩かそれより少し右を指している

・・という3つがポイントになってきます。

このような形でグリップを握ると、スイング中にフェースが開きにくくなります。

ウィークグリップで真っすぐなショットを打つ人もいるのですが、多くの方にとってウィークグリップはフェースが開いてしまいやすいグリップと言えると思います。

簡単に言うと・・ウィークグリップは、自分にとって自然な位置よりも左手、右手、もしくは両手を左に回転させて握っている形になります

そのため、手は自然な位置に戻ろうと、スイング中には右に回転します。

すると・・フェースが開くということになります。

ですので、自然な位置で構えてあげることが大切になってきます。

また、例えば、ドローボール、フックボールを打ちたいと思った時は、先ほどの仕組みを利用して、自分にとって自然な位置よりも両手を右に回転させてから、握るようにすると、スイング中に両手は自然な位置に戻ろうと、今度は左に回転します。

つまり、フェースが閉じる・・ということになります。

フックグリップというのは、この仕組みを利用するようなもので、フックグリップにすることで、スライスが直ったり、または、スライスがドローボールになるケースもあります。

フックグリップで握るためには、いくつかポイントがあり、それらについてはフックグリップ(ストロンググリップ)の握り方にてまとめてありますので、よかったらそちらも参考になさってください。

また、ウィークグリップだと何故スライスするのか?ということについてはスライスの原因とウィークグリップにてより詳しくご紹介しています。

2)アドレスの姿勢

アドレスの姿勢というものもスライスの大きな原因になることがあります。

アドレスのどんな姿勢、ポイントがスライスの原因になるのかということですが、今回は3つ挙げたいと思います。

それらは、


①右肩の位置
②背骨の傾き
③猫背

・・の3つになります。

①右肩の位置

ゴルフクラブを握る際ですが、右利きの方の場合は、右手が左手よりも下に来る形になります。

このようにクラブを握ると、自然と右肩も左肩よりも少し下がる形になります。

ただ、右肩を下げて構えるのは、案外苦しい体勢ですし、日常の生活では殆どしないような姿勢だと思います。右肩を左肩よりも下げる・・なんていう姿勢は。

そんなこともあって、右肩を下げずに、グリップを握ろうとされる方も多いです。

つまり、右肩の位置が本来あるべき位置よりも高い位置で構える形になります。

このように構えている方の場合、右肩が前、ボールの方向に出ていることが非常に多いです。

右肩を前に出して、そして、左肩を後ろに引くような形で構えると右肩はそれほど下げなくて済むのですが、ただ、このように構えることで、両肩を結んだラインが左を向き過ぎてしまいます。

両肩のラインというのは、ダウンスイングでのヘッドの軌道を決定付ける大きな要因の1つで、両肩のラインが左を向くと、スイングもアウトサイド・インになりやすいです。

このような軌道で振ると、ボールをカットするような形になり、引っ掛け(ボールが真っすぐに左に飛んでゆくショット)が出るか、フェースがスイングの軌道に対して開くと、スライスが出るようになります。

ここで、無理にインサイドから振ろうとすると、ダウンスイングでフェースが開き、プッシュアウト・スライスのようなショットが出るケースもあります。

こういったことを防ぐには、右手が左手の下に来る分だけ、右肩を左肩よりも下げてから、グリップを握ってあげる必要があります。

アドレスでは右肩を下げる。背骨の傾き(右に傾けること)について

②背骨の傾き

上記の記事でも触れていますが、構えた際(アドレスの際)の背骨の向きも重要になってきます。

先ほどのように、右手が左手の下に来る分だけ、右肩を左肩よりも下げて構えると、背骨が若干ですが、右に傾く形になります。

プロのアドレスを見ていただくとわかりますが、背骨がほんの少しですが、右に傾いているのがわかるかと思います。

一方、スライスが直らないという方の場合、背骨が地面と垂直か、場合によってはターゲット方向に傾いている方もいらっしゃいます。

このような形で構えると、バックスイングで回転するだけではなかなか体重が右足に乗らず、その結果、右足に体重を移動させるために、スウェーしてしまうケースもあります。


バックスイングで体、もしくは腰が右にスライドする(流れる)ことをスウェー(スエー)と言います。

そして、このスウェーはスライスの原因にもなります。

それを防ぐためには、アドレスで右肩をしっかりと下げた状態でグリップを握る必要があります。

その結果、背骨が若干ですが、右に傾くと思います。

バックスイングではその背骨に傾きを保ったまま、くるっと右に回転すると、案外簡単に右足に体重が乗りますし、また、その形ですと、スウェーしにくくなります。

③猫背

スライスの原因となるアドレスの姿勢の1つが「猫背」です。

スライスの原因と「猫背」。猫背で縦振りだとスライスする?で詳しく書きましたので、今回は簡単にご紹介したいと思いますが・・

猫背で構えると、前傾姿勢が必要以上に深くなってしまいがちです。

必要以上に前傾姿勢を深くすると、スイングそのものがアップライトになってきます。


ここで言うアップライトとは、スイングの軌道のことを言っているのですが、簡単に表現すると、「縦振り」ということになります。その反対がフラットなスイング、横振りになります。

スイングは、縦振りとか、横振りなどと表現されることがありますが、縦振りはアップライト、横振りはフラットなスイングと言われることもあります。

この縦振り、アップライトなスイングですが・・スイングの軌道が、アップライト(縦振り)になると、スイングの軌道がアウトサイド・インになりやすく、真っすぐにボールを打ち出そうとすると、インパクトではフェースが開きやすくなる・・という特徴があります

そんな理由から、猫背はスライスの原因になることがあります。

猫背を直すには、

①真っすぐに前を見た状態で真っすぐに立つ
②腰から前傾するのではなく、両足の付け根から前傾する

・・といったことがポイントになります。

真っすぐに立つ際、下を見ると、その段階で背中が曲がってしまいます。普段から下を見て立つ癖のある方は、普段から少し意識して、目線を水平のところまで持ってきてみてください。

また、腰から前傾しようとすると、背中が丸まってしまいやすいですので、腰、または背中からではなく・・下の写真のように、両足の付け根から前傾してゆくようにしてみるといいかと思います。

この2点に気を付けてみると、猫背も改善されてくるのではないかなと思います。

詳しくは先ほどご紹介した記事で書かせていただいています。また、スライスの原因とアドレスの姿勢でも詳しくご紹介しています。

3)ボールの位置

野球やテニスなど、他のスポーツと違って、アドレスで構えたら、基本的には両足の位置は動かさない(ヒールアップをすることはあります) ゴルフの場合は、ボールの位置も非常に重要になってきます。

スライスの原因になりやすいのは、ボールを左に置きすぎること、になります。

図解!ボールの位置。ドライバーからサンドウェッジまででもご紹介しましたが、アイアンの場合、下記のような位置が基準になります。

サンドウェッジから9番アイアン

スタンスの真ん中

ミドルアイアン

スタンス中央からボール1個程度左

これよりも左に置いている場合は・・そのボールの位置がスライスの原因になってしまうこともあるかも知れません。

ボールの位置ですが、左に置けばおくほどに、2つのことが起きます。

それらは・・


1)スイングの軌道がアウトサイド・インになる
2)アドレスで両肩が開きやすくなる

ですので、ボールを左に置きすぎている場合は、上記の位置に置くようにしてみてください。

ただ、その位置では、最初はスライスが悪化するかも知れません。

ダウンスイングでフェースが開いて下りてきているから、フェースを閉じる時間を稼ぐために、ボールを左に置いている・・ということもありますので。

ですが、その形だと(ボールを左に置きすぎていると)、スイングの軌道が狂ってしまいやすく、スライスが思うように直りません。

ですので、最初はスライスが悪化しても、ボールの位置を右に移動させて、そして、それと同時にグリップの握り方を変えて、フェースがスイング中に開くという問題を修正してゆく必要があるかと思います。

詳しくはスライスの原因とボールの位置をご覧ください。

4)体の向き(左を向いている/右を向いている)

ゴルフでは、ボールとターゲットを結んだ飛球線(ターゲットライン)に対して、両肩、両足のラインが平行になるように構えることが1つの基本になります。

ただ、スライスが直らない・・という方のアドレスを拝見すると、左を向いているケースと右を向いているケースがあります。

左を向いてしまっているケースですが、

このように構えると、スイングの軌道もアウトサイド・インになりやすく、スライスの原因になることがあります。

反対に右を向いているケースですが、

スライスが出た際、アドレスなどを一切変えずに、スイングを変えることで右に曲がるボールをストップさせることができます。

どうするかというと、できるだけフェースを閉じる意識で、ヘッドを思い切り左に振り抜きます。

すると、ボールは右に曲がらなくなることがあります。

ただ、ボールは左に真っすぐに飛んで行く、引っ掛けになります。

このままではボールは目標の左に飛んでゆきます。

ですので、今度はボールを目標に向かって飛ばすために、右を向きます。

すると、ボールは真っすぐに飛んでゆきます。

ただ、これは右を向いているので、実際には引っ掛けを打っていることになります。

この打ち方は例えば、ショートアイアンなどではかえって飛距離が伸びたりすることもあるのですが、長いクラブ、フェアウェイウッドやドライバーになると、ボールが高く上がらなかったりして、飛距離が大きく落ちてしまうケースもあります。

それで、ボールを上げようとすると、今度はフェースが開いてスライスする・・というケースもあります。

これも先ほどのボールの位置と一緒なのですが、体の向きを修正しただけではスライスは完全に直らないかも、知れません。

その場合は、同時にグリップの握り方なども修正してゆく必要があると思います。

5)両手の位置(ハンドファースト)

5つ目のスライスの原因が両手の位置です。

アドレス時のグリップ(両手)の正しい位置。ドライバーからアイアンまででもご紹介しましたが、構えた際、両手は左足太もも内側の前に来るように構えることが1つの基準になります。(当サイトの基準として)

ただ、スライスが出ることが多い・・という方の場合、両手がズボンのジッパーの前に来ているケースも多いです。

そのような形で構えると、スイング中にフェースが開きやすくなります。

ですので、両手の位置が左足太もも内側の前に来るように構えます。もっというと、両手をその位置に持ってきてから・・グリップを握るようにします。

そのように構えると、ドライバーを除いて、ほぼハンドファーストの形になると思います。その形ですと、フェースは開きにくくなると思います。

さらに詳しい解説については、ハンドファーストとは?構え方とインパクト、ドライバーについてもをご覧ください。

ドライバーやフェアウェイウッドは大丈夫なのに、アイアンだけスライスが出るのは何故?

さて、ここからは、ドライバーやフェアウェイウッドではスライスはそんなに出ないのに、アイアンになるとスライスが出る場合について考えてみたいと思います。

そのアイアンだけスライスが出てしまう理由ですが、2つの原因が考えられます。

それらは・・


①両手の位置(ハンドアップ)が間違っている
②アイアンのライ角が合っていない

・・の2つになります。

①両手の位置(ハンドアップ)が間違っている

先ほども両手の位置について書かせていただきましたが、今回の両手の位置は上下という意味での位置になります。

アイアンを構えた際、アイアンのヒール側が浮くような形で構えていたとします。

このような形で構えている場合、ハンドアップになっている可能性が高いです。


ハンドアップとは、アドレスで構えた際、両手が自分にとって最適な位置よりも高い位置に来ている状態のこと。構えた際にクラブのヒール側が地面から浮いていることが多い。

また、構えた際、ソール全体が地面についている形も、ハンドアップの可能性があります。

このような形で構えていると、インパクトでフェースが開きやすくなります。

それには、トゥダウン現象というものが関係しています。

トゥダウン現象とは? グリップの握り方とクラブの選び方もでもご紹介しましたが、スイング中にはトゥダウン現象といって、遠心力によって、クラブのトゥ側が下がるという現象が起きます。

トゥダウン現象とは、スイング中に遠心力が働いて、トゥ側がアドレス時よりも下がる現象

ですので、例えば、ソール全体が地面につくような形で構えた場合、トゥダウン現象によって、トゥ側がインパクトで下がります。

すると、(大げさにご説明すると)ヒールは地面から浮いていて、ソール(クラブの底)のトゥ側(↓)だけが地面に着くような形になります。

こうなると、トゥ側にブレーキがかかり、クラブのヒール側が前に出てきます。

つまり、フェースが開きます。

こうならないためには、アドレスで構えた際、トゥダウン現象をあらかじめ予測して、トゥ側を地面から少し浮かせて構えてあげる必要があります。

じゃあ、どの位、トゥ側を浮かせばいいのか?ということですが、目安としては、クラブを構えた際に、クラブヘッドのトゥ側を10円玉が数枚入る程度、浮かせて構えるようにするといいと思います。

そのように構えることで、アイアンだけスライスが出る・・という問題が改善されるケースも多いです。

詳しくはハンドダウン、ハンドアップとは?メリット・デメリット、インパクトへの影響もにてご紹介しています。

②アイアンのライ角が合わない

ドライバーですとか、フェアウェイウッドではそんなことはないのに、アイアンになるとスライスが出る・・ということの原因ですが、アイアンの「ライ角」が原因になっているケースもあります。

【図解!】アイアンのライ角。正しいライ角を見極める簡単な方法!

アイアンには、ライ角というものがあるのですが、これは各クラブメーカーによって微妙に違っていたりします。

そのライ角ですが、一般的には・・・

ライ角 ショットへの影響
アップライト フックボールが出やすい
フラット スライスが出やすい

・・といったことが言えます。

下の図は説明のために極端に作っています。実際には同じ番手でここまでライ角が違ってくることはないですが・・

もし、お使いのアイアンが、自分にとってフラット過ぎた場合・・構えると、クラブのヒール側が地面から浮きやすくなり、先ほどのハンドアップにするとフェースがインパクトで開きやすくなる理由と一緒で、スライスが出やすくなります。

また、市販されているアイアンの中では一般的なライ角のアイアンをお使いの場合でも、もし、身長が平均よりもかなり大きい方の場合、一般的なライ角のアイアンではその方にとってはフラット過ぎる・・ということもあります。

例えば、女性で背の高い方の場合はそういったことになりやすいかも知れません。

その場合は、メンズ用で軽めのシャフトが装着されたアイアンを試してみてもいいかも知れません。

いずれにしても、今、お使いのアイアンよりもアップライトなアイアンに買い替えてみることで、スライスが改善することもあります。

また、ライ角が調整できる「フォージドアイアン」(鍛造(たんぞう)のアイアンなど)をお使いの場合は、ゴルフショップに持っていって、ライ角について相談してみてもいいかも知れません。

購入後でもライ角が調整できるアイアンもありますので。

スコアが劇的に変わった人が実践したゴルフ理論とは
↑僕も実践してみました。その上達法やゴルフ理論の感想について書いてみました。一度ご覧になってみてください。