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スライスの直し方編

スライスの原因とボールの位置

今回はスライスの8つの原因でご紹介したスライスの原因の1つ、ボールの位置について、ご紹介してゆきたいと思います。

ボールの位置というのは、ゴルフスイングを語る上ではあまり話題にのぼらないことが多いかも知れません。

スイングの仕方について興味を持ってくださる方は多くても、アドレスの仕方やボールの位置、アライメント(アドレスの向き)・・といったゴルフの基礎の部分は多くの方が嫌がること、かも知れません。

ところが、ボールの位置というのは、最もショットに影響を与える要素の1つ、です。

今回はそんなボールの位置とスライスの関係についてご紹介してゆきたいと思います。

目次

スライサーはボールを左に置き過ぎている?

スライサーの方の場合、ボールの位置が図解!ボールの位置。ドライバーからサンドウェッジまででご紹介した位置よりも左になっているケースが多いです。

下記は上記の記事でご紹介したボールの位置になります。

上記の記事でもご紹介しましたが、正しい位置というのはその人によって変わってきますし、打ちたいショットによっても変わってきますので、ここでご紹介しているのは、あくまでも一つの目安としてお考えいただければ幸いです。

サンドウェッジから9番アイアン

スタンスの真ん中

ミドルアイアン

スタンス中央からボール1個程度左

ユーティリティ~フェアウェイウッド

ミドルアイアンとドライバーのボールの位置の間

ドライバー

左足かかと線上~左頬の線上の範囲

ドライバーのボールの位置に関しては下記の記事にて詳しくご紹介しています。

【ドライバーのボールの位置】ボールを「ここ」に置くとうまくいく

さて、スライスを打っている方の場合、この位置よりもボールを左に置いていることが多い・・というお話に戻ります。

この位置よりもボールを左に置いている理由は大きくわけると2つあるかと思います。

1つは、スライスを打つようになってボールの位置がどんどん左に移動してしまった・・というケース。こちらのケースの方が多いかも知れません。

もう1つは、ボールの位置が最初から間違っていた(左に置き過ぎていた)というケースです。

どちらのケースであっても、スライスを直すためには、ボールの位置も直してゆく必要があります。

スライスは、ボールの位置を直すだけでは・・直らないことが多いです。

スイング中に開いてしまっているフェースを何とかしなくてはなりませんし、スライスの8つの原因でご紹介した他の原因も同時に直してゆかなければならないことが殆どです。

ただ、ボールの位置は必ず直さなければならないことの1つだと思います。

ボールの位置については、図解!ボールの位置。ドライバーからサンドウェッジまででご紹介した位置、またはスライスを直すためにドローボールを打つ練習をするのであれば、それよりもほんの少し右(ボール半個~)に置いてみてもいいかも知れません。

ここからは少し、何故、ボールの位置を変えなければだめなのか?何故、左にボールを置き過ぎると、スライスが直らないのか?ということについて考えてみたいと思います。

何故、ボールを左に置きたくなるのか?

さて、何故、ボールの位置を変えなければだめなのか?何故、左にボールを置き過ぎると、スライスが直らないのか?

・・ということですが、その前に何故、左に置きたくなるのか?ということについて考えてみたいと思います。

スライスを打っている方の場合、ボールを左へ左へと置きたくなるものだと思います。

何故かというと、フェースがダウンスイングで開いて下りてきてしまっているから、だと思います。

フックを打っている方はこの反対でフェースがダウンスイングで閉じてしまっているので、ボールを右に置きたくなります。ボールを左に置くと、その分フェースがさらに閉じる時間が出来てしまって、ひどいフックボールが出てしまうからです。

スライスを打っている方の場合はその反対で、フェースが開いて下りてきているので、その開いてしまったフェースを閉じるための時間が必要になります。

ボールを左に置くほどに、そのための時間が稼げます。

また、スライスは右利きの方の場合、右へと曲がるショットです。

右にボールが曲がるようになると、左に打ち出したくなります。右に打ち出して右に曲がったのでは、困りますから。

ボールを左に置くほどに、ショットを左に打ち出しやすくなります。

そんなことも、ボールを左に左に置いてしまう原因となっているかも、知れません。

フェースがダウンスイングで開いているから、ボールを左に置きたくなる。

ですので、開いているフェースを閉じてあげる必要がでてきます。

それだけで左に置き過ぎているボールの位置が自然と直ってゆくこともあります。

ただ、グリップを直したりしても(グリップの握り方の記事スライスの直し方編参照)、スライスが直らないケースもあります。

これには色々な原因があるのですが、一つがボールの位置が直っていないこと・・になります。

グリップを直して、スイング中にクラブフェースが開き難くなったのに、スイング中、特にダウンスイングに入ってから、フェースをどうしても開いてしまったりするのは、ボールの位置が直っていないことが関係しているかも、知れません。

ボールを左に置くほどにスライスが直らなくなる2つの原因

ボールを左に置くほどにスライスが出やすくなります。

それには大きくわけると2つの理由があります。

それらは、

1)スイングの軌道がアウトサイド・インになる
2)アドレスで両肩が開きやすくなる

といったことになります。少し詳しく見てみたいと思います。

1)スイングの軌道がアウトサイド・インになる

ボールを左に置けば置くほど・・スイングの軌道というのは、アウトサイド・インになりやすくなります。

フェードボールの最も簡単な打ち方【こうすると簡単にフェードが打てます】でもご紹介しましたが、フェードボールを打つ際にも、ボールを左に置いた方が打ちやすくなります。

ボールの位置というのは左に置くほどに、スイングの軌道がカット軌道になりやすくなります。

つまり、アウトサイド・インのスイングになりやすい。

ボールをいつもよりも左に置くと、フェースが閉じれるような気持ちになります。

ただ、それはフェースを閉じているというより、スイングの軌道をアウトサイド・インにすることで、フェースが結果的に閉じた・・ということが多く、そのため、フェースは閉じても、ショットは左に真っ直ぐに飛んでゆきます。

つまり、引っ掛けになります。

ボールが真っすぐに左に飛んでゆくので、今度は右を向きたくなります。

すると、ボールは真っ直ぐに飛んでゆきます。

ただ、これはストレートボールではなく、引っ掛けになります。右を向いて引っ掛けを打っていることになります。

このスイングでも真っ直ぐにボールが飛んでいれば問題はないかも知れません。

ただ、アウトサイド・インのスイング軌道で打っているので、一つ間違えると、スライスが出やすくなります。

また、この打ち方だと、例えば、飛距離の出るドローボールを打つのは非常に難しくなります。

さらに、短いアイアンは思うように打てても、長いクラブ、ロフト角が少ないクラブになると打てなくなることも多いです。

この打ち方をしている方にボールの位置を変えていただくと、最初はスライスが悪化したり(右に出て右に曲がるスライス)、ショットも良くなるどころか、どんどん悪化してゆくことが多いです。

ただ、それでも構いません。

右に出て、右に曲がるスライスが出たということは、スイングの軌道が修正されてきている証拠なので、それでも構いません。

スイングの軌道を変えて、その上でグリップグリップの位置といったものを変えてゆきます。

このお話も含めて、スライスの直し方についてはスライスの直し方編にて詳しくご紹介していますので、よかったらそちらも参照ください。

2)アドレスで両肩が開きやすくなる

ボールを左に置くほどにスライスが直らなくなるもう1つの原因が、アドレスで両肩が開きやすくなること、になります。

ボールを左に置き過ぎてしまうと・・アドレスで両肩が開きやすくなります。

そして、両肩が開いていることがスライスに大きく関係してきます。

ボールを左に置き過ぎてしまった場合(図解!ボールの位置。ドライバーからサンドウェッジまででご紹介した位置を基準にしています)、アドレスで構えた時に、右肩が前に出てしまうことがあります。

左に置き過ぎたボールにヘッドを合わせて構えるために、です。

試しに、ドライバーを持って、左足よりも50センチ左にボールがあると思って構えてみてください。

極端にボールの位置を左にしてみるわけですが、こんなに左にボールが置いてあると、殆どの方が遠く(左に)にあるボールにヘッドを合わせるために、右肩を前に出すか、または右肩をボールの方向に出すような形で構えると思います。

さて、本来であれば、ボールとターゲットを結んだターゲットライン(飛球線)に対して、両肩のラインは平行になっているのが一つの基本になります。

ところが、右肩を前に出して構えると、両肩のラインがこれよりも左を向くことになります。

これの何が問題かというと・・

ダウンスイングでのクラブヘッドの軌道というものは、両肩のラインに強い影響を受けます。

アドレスの時点での両肩のラインが左を向いていると、そのラインに沿うようにしてヘッドも下りてきます。

つまり、アウトサイド・インのスイング軌道になりやすいということになります。

このような形で打つと、やはり、引っ掛けが出やすくなります。

「あれ?おかしいな・・」

と思って、今度は左ではなくて、目標に向かってボールを打ち出そうとします。

すると、クラブフェースが開きやすくなるのです

アドレスでの両肩のラインというものがまず、ダウンスイングでのクラブヘッドの軌道を決定します。

それに逆らって軌道を無理矢理変えようとすると、今回のケースではフェースが開きやすくなります。

すると、スライスが出たりします。それでグリップを見直してみても、また、スライスが出たりする。

このケースでスライスが直らなかったのは、グリップの握り方が間違っていたのではなくて、両肩の向きが間違っていたから・・なのかも知れません。

何故、スライスを直すことは難しいのか?

度々書かせていただいてきましたが、スライスを直すのはとても難しいものだと思います。

その理由は、スライスは何か一つだけ直しても直らないことが多いから、かも知れません。

だから、一つ直してみて、結果が出なかった時に、これが原因じゃなかったんだ・・・と諦めてしまう方も多いです。

でも、実は、その直してみたことは、間違いではなかったかも知れない。

ただ、それ以外にも同時に直してゆかなければならないものがあったのかも、知れません。

こんな風に言うと、何だか複雑で面倒なことのように聞えてしまうかも知れませんが、ただ、スライスの原因というのは、その殆ど、8割程度はアドレス、つまり、スイングをはじめる前の部分にあります。

プロのようにスイングしてくださいと言われても難しいかも知れません。だけど、アドレスであれば、プロのように構えることは可能だと思うのです。

そして、アドレスを変えてゆくことで、その効果はずっと持続します。

スイングを変える場合はそうはいきません。効果は一時的なことで終わってしまうことも多いです。

今回のようにボールの位置を変えてゆくというのは、ある意味地味な作業かも知れませんが、そうすることで得られるものは大きいと思います。

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