ホーム > トラブル解決編 >
トラブル解決編

アイアンやウェッジが高く上がりすぎる、吹き上がる原因と直し方

アイアンについてはこれまでボールの位置ティーアップの高さアイアンが飛ばない原因スライスの原因フックの原因などについてご紹介してきました。

今回はアイアン(ミドルアイアン~ショートアイアン、ウェッジなど)が高く上がりすぎる、ボールが吹き上がる原因とその改善方法について見てゆきたいと思います。

目次

直す必要のあるものとその必要がないもの

アイアンが高く上がりすぎる場合ですが、直す必要のあるケースと直す必要のないケースがあります。

直す必要があるのは、1)バックスピンがかかりすぎた結果、もしくは2)打ち出し角が高くなりすぎた結果、ボールが吹き上がって、飛距離が出ていないケースです。

このようなケースでは、バックスピン量を適度に抑えることで、もしくは、打ち出し角を適正な角度に改善することで、ボールが吹き上がらなくなるだけでなく、飛距離も飛躍的に伸びることが多々あります。

また、ウェッジやショートアイアンの場合はもともと高く上がるように設計されているわけですが、それでもバックスピンがかかり過ぎていたり、打ち出し角が高すぎる場合は、飛距離ロスにつながりますので、その場合も同じく改善してゆく必要があると思います。(直し方はミドルアイアンと同じやり方になります)

この具体的な改善方法については、次に詳しくご紹介してゆきます。

それから、ヘッドスピードが速い人の場合、そうでない人に比べて結果的にバックスピンが多くかかり、ボールは高く上がりやすくなりますが、飛距離がしっかりと出ている場合は直す必要はないと思います。

簡単にまとめると、ボールが高く上がっていても飛距離が十分に出ていれば直す必要はありませんし、飛距離が出ていない場合は直してゆく必要があると思います。

飛距離の目安については、ゴルフクラブの飛距離の目安【一覧表】ドライバー、フェアウェイウッド、アイアン他にてご紹介しています。

ヘッドの入射角が原因のケース

まずは、アイアンのクラブヘッドの入射角※について見てゆきたいと思います。

※入射角・・・インパクトでヘッドがボールに対してどの程度の角度で入ってきたかということを示す数値

アイアンショットが高く上がりすぎている原因の1つはクラブヘッドの入射角です。

もっというと、クラブヘッドが上から入りすぎていると・・ボールにはバックスピンがかかりすぎて、結果的にボールが高く上がりすぎてしまうことがあります。

極端に言うと、クラブを上からボールに向かって叩きつけるようなスイングになっているとバックスピンがかかりすぎてボールが吹き上がってしまうことがあります。

以前、ドライバー、アイアンの入射角のデータ。プロの入射角はどの位か?では男子プロと女子プロのアイアンの入射角についてご紹介しました。

下記は7番アイアンのデータです。数値は各ツアーの平均値になります。

  男子プロ
(PGAツアー)
女子プロ
(LPGAツアー)
入射角 -4.3度 -2.3度
ヘッドスピード 40.2 m/s 34 m/s
打ち出し角 16.3度 19度
スピン量 7,097rpm 6,699rpm
キャリー 172ヤード 141ヤード

女子プロのデータの方が参考になると思いますので、女子プロの数値を見てゆきたいと思いますが、女子プロの場合、7番アイアンの入射角の平均値は-2.3度になります。

マイナスの数値はヘッドが上から入ってきていることを示していますが、-2.3ですからヘッドは緩やかに下降しながらボールに向かって入ってきていることがわかります。

このヘッドがボールに向かってくる角度が大きくなると、もしくはダウンブローの度合いが大きくなると、バックスピンがかかりすぎて、ボールが吹き上がりやすくなります。

ですので、もし、ヘッドを上から入れすぎている場合は、ボールを横から払うような意識で打っていただくと、バックスピン量を適度に抑えることができるかと思います。

勿論、アイアンの場合は、ダウンブローで打っても構いませんが、その場合は、先ほどの女子プロのデータにあるように、緩やかなダウンブローで打つようにするとバックスピンがかかりすぎて飛距離を失うという問題を改善できるかと思います。

アイアンはダウンブローで打つ?それとも横から払い打つ?

スイングの最下点で打とうとしているアマチュア、ヘッドが下降している最中に打つプロ

先ほどとは反対になりますが、すくい打ちをしている場合もボールが高く上がりやすくなります。

下の表はアマチュアとプロのスイングの最下点に関する調査結果になります。(アイアンのデータになります)

ゴルファーのレベル ゴルフスイングの最下点(アイアン)
アマチュア ボールの2~3センチ手前
中級者 ボールの位置
シングル 中級者とプロの中間
PGAツアープレーヤー ボールの先10センチ

これを見ていただくと、プロのスイングの最下点(クラブヘッドの最下点)はボールの先10センチになっていたのに対して、アマチュアの場合は、ボールの数センチ手前が最下点になっています。

これはどういうことかというと、プロの場合はヘッドがまだ下降を続けている最中にボールをとらえているのに対して、アマチュアはすくい打ちをしている※・・ということになります。

※アマチュア全員がすくい打ちをしているわけではなく、先ほども書かせていただいたようにクラブヘッドが上から入りすぎているケースもあります

すくい打ちをしている場合ですが、打ち出し角が高くなりやすく、結果的にボールが高く上がりやすくなります。

ボールが高く上がるだけであればいいのですが、このような形で打つと、ボールは高く上がっても飛距離が出ないことが多いです。

ですので、すくい打ちは直す必要があると思います。

ロフトを立てて打つ

もし、すくい打ちをしている場合ですが、プロのようにスイングの、もしくはクラブヘッドが最下点に達する前にボールをとらえるようにすると、打ち出し角が低くなり、ボールの高さを抑えられると思いますし、結果的に飛距離も伸びると思います。

これはつまり、ダウンブローで打つということになります。

ダウンブローの打ち方についてはダウンブローとは?ダウンブローの打ち方と3つのコツ。プロがやっている打ち方もにて詳しくご紹介していますので、よかったらそちらをご覧ください。

ただ、いずれにしても、すくい打ちをやめて、ダウンブローで打つということは、イコール、ロフトを立てて打つということになります。

(下の図)右下がロフトが立った状態。

ロフトを立てて打つということはハンドファーストでインパクトをむかえるということなのですが、そのような形で打つと打ち出し角は低くなり、ボールが上がりすぎて飛距離を失うということがなくなると思います。

ハンドファーストとは?構え方とインパクト、ドライバーについても

「プロのアイアンショットは何であんなに飛ぶのか?」

・・と疑問に思っていらっしゃる方もいるかも知れませんが、プロのアイアンショットがよく飛ぶのは、ロフトを立てて打っているから・・というのが1つの理由になります。

フェースが開いた状態でボールに当たっていると、ボールは吹き上がりやすい

アイアンショットが吹き上がってしまうもう1つの原因ですが、スライスが出やすいスイングをしていると、もしくは、フェースがやや開いた状態でボールに当たっていると、ボールは吹き上がりやすくなります。

フェースがやや開いた状態でボールに当たっている・・ということですが、フェースが開いているのならボールはスライスするはず・・なのですが、アイアンの場合は、ドライバーやフェアウェイウッドなどと比べてロフト角が大きいです。

ロフト角が大きいとどうなるかというと、バックスピン量がかかりやすくなり、もし、インパクトでフェースが若干開いていたとしても、スライススピン(サイドスピン)をバックスピンが打ち消してくれることでストレート系のショットが出る場合があります。

一方、ドライバーやフェアウェイウッドの場合はロフト角が少ないために、ちょっとでもフェースが開くとスライスが出ますので、フェースが開いているかどうかがわかりやすいです。

もし、アイアンはストレート系のショットが出るのに、ドライバーやフェアウェイウッドなど、ロフト角が少ないクラブだとスライス系のショットが出る・・という場合は、アイアンでもインパクトでフェースが開いている可能性があります。

この場合も、ボールは(アイアンで打った場合)真っすぐに飛んでも、バックスピンがかかりすぎているためにボールは吹き上がりやすくなりますし、バックスピンがかかり過ぎている場合は飛距離も出ません。

この場合は、フェースがインパクトで開くという問題を修正する必要があると思います。

スライスの直し方についてはスライスの直し方編にて詳しくご紹介していますので、よかったらそちらを参照ください。

スコアが劇的に変わった人が実践したゴルフ理論とは
↑僕も実践してみました。その上達法やゴルフ理論の感想について書いてみました。一度ご覧になってみてください。