ホーム > スライスの直し方編 >
スライスの直し方編

ドライバーのスライスの3つの原因と直し方・矯正方法

ドライバーの打ち方についてはドライバーの打ち方のコーナーで色々とご紹介してきました。

今回は、ドライバーのスライスの直し方・矯正方法について詳しく見てゆきたいと思います。

目次

構え方、グリップの握り方に8割の原因がある

ドライバーのスライスの具体的な直し方などを見てゆく前に、まずスライスについですが、スライスとは、ゴルフボールにかかったサイドスピンが引き起こすものです。

そして、そのスライスは下記のようなことが原因であると言われています。

①インパクトでフェースがターゲット、もしくはヘッドの軌道に対して開いている
②ゴルフスイングの軌道がアウトサイド・インである

アウトサイド・インのスイングがスライスの直接的な原因になることもあるのですが、

ただ、このアウトサイド・インのスイングも実は何かが引き起こしていた・・・というケースもあります。

フェースが開いてしまうこと、アウトサイド・インのスイングになってしまう原因についてはスライスの8つの原因でご紹介させていただきました。

その中で下記のような点をご紹介させていただきました。

実はスライスの原因の8割程度はこういったバックスイングをスタートさせる以前の部分にあります。

一つ一つについては上記の記事で詳しくご紹介しておりますので、今回は省略したいと思います。

ただ、スライサーの方の多くは、スイングそのものを何とかしようとすることでスライスを直そうとされます。

ところが、それだと、一時的に直っても、また、スライスが出るようになったりして、効果が長続きしないことが多いように思います。

一方で、例えば、グリップの握り方を変えてスライスが直った場合、その効果はずっと持続します。

アドレスの向きにも同じようなことが言えます。

ですから、ドライバーのスライス、またはこれはスライス全体に言えることですが、スライスを直すためにはそういったアドレスの部分をまず最初に見直してゆくことが大切だと思います。

そこを直すことでスライスの多くは改善してゆきますので。

ドライバーのスライスとアドレスでの背骨の角度
ドライバーの構え方のまとめ

何故、ドライバーだとスライスしてしまうのか?

さて、では本題に入りたいと思います。

今回はドライバーのスライスについてのお話ですが、アイアンだとストレート系のショットを打っているのにドライバーになるとスライスする・・・という方が案外大勢いらっしゃいます。

アイアンでは大して問題ないのに、ドライバーでスライスするというのはまた何か特別な理由があるのでしょうか?

それにはいくつか考えられることがあります。

それらは、

1)ドライバーはもっともサイドスピンがかかりやすいクラブ
2)ティーアップすることに何か関係が?
3)ティーアップの仕方に問題がある?

といった点です。

一つづつ、見てゆきたいと思います。

1)ドライバーは最もサイドスピンがかかりやすいクラブ

先ほどサイドスピンについて触れましたが、実はこのサイドスピンとドライバーは非常に相性がいいと言いますか、ドライバーは最もサイドスピンがかかりやすいクラブと言えます。

サイドスピンにはこのような特徴があります。

①サイドスピンはロフト角が少ないクラブほどかかりやすい
②ヘッドスピードが上がれば上る程、サイドスピンがかかりやすい

ロフト角が大きいクラブ、例えばサンドウェッジなどはバックスピンが多くかかるクラブになります。

バックスピンがボールに多くかかることで、多少のサイドスピンは打ち消してくれます。

そのため、ウェッジやショートアイアンなど、ロフト角が大きいクラブはボールを曲げるのがある意味難しいクラブになります。

一方でドライバーはロフト角が少なく、バックスピンが一番かからないクラブです。

そのため、ほんの少し・・フェースが開いただけでも、例えば、9番アイアンではスライスしなかったようなスイングであっても、ドライバーではスライスする・・ということが起こります。

また、サイドスピンはクラブヘッドのスピードが上がるほどにかかりやすくなります。

ドライバーは、全てのクラブの中で、一番クラブヘッドスピードが上がるクラブですから、やはり最もサイドスピンがかかりやすいと言えます。

そういう意味で、普段アイアンで、ストレートボールを打っている方であっても、または、全てのクラブでストレートボールを打っていても、ドライバーだけ時々スライスを打ってしまう・・・そんな方もいらっしゃいます。

そういった方がドライバーのスライスを直すと、他のクラブでのサイドスピン(スライススピン)も減って、飛距離が全体的に大きく伸びることが多々あります。

2)ティーアップすることに何か関係が?

さて、ここからは具体的にドライバーのスライスについて、また、その直し方について見てゆきたいと思います。

アイアンではストレート系のショットを打っているのに、ドライバーはスライス・・・という2つ目の理由はティーアップすることに関係していると思います。

アイアンではやっていなくて、ドライバーでやっていることを探せば・・・ドライバーのスライスの理由がわかるかも知れません。

アイアンではやっていなくて、ドライバーでやっていることの1つはティーアップだと思います。

アイアンでもティーアップしますが、ドライバーの場合は、基本として、ボールの半分がドライバーヘッドから出るほどの高さにティーアップします。

アイアンではこんなに高くはティーアップしないわけです。

ここまで高くティーアップして打つ理由の一つは、高さが出て、尚且つスピン量の少ないボールを打つため、です。

高くティーアップして、ボールの真後ろよりも少し下の部分、または、ドライバーのフェースのやや上部で打つことで打ち出し角が高くなります。

また、フェースの下部で打つよりも、フェース真ん中かその少し上の部分で打つことでバックスピン量も減ります。

飛距離をアップさせるには

①バックスピン量を減らす
②打ち出し角を高く
③ヘッドスピードを速く

といった3つの要素が大切になってきますが、ティーアップして打つことでこの3つの中の2つをクリアすることができます。(実際にはこの3つのバランスも大切になってきます)

さて、少し話がそれましたが・・

このように高くティーアップすることがスライスとどのような関係があるのでしょうか?

それは、ヘッドの軌道が関係しています。

ボールを高くティーアップすると、ヘッドを下から入れて、すくい上げるような打ち方ができるようになります。

アイアンではこの打ち方はできません。地面が邪魔をしますので・・

ただ、ドライバーの場合はボールが高くティーアップされていますから、このすくい上げるような打ちができるようになります。

若干のアッパーブローで打つことは良いことだと思います。そうすることで飛距離が伸びることもあります。

ドライバーの打ち方。アッパーブローで打つべきか?払い打つべきか?

ただ、アッパーブローで打つことはリスクも伴います。

どんなリスクかというと、振り遅れるリスクとフェースが開いてしまうリスクです。

ヘッドをボールの下から入れてゆくすくい打つような打ち方の場合は、さらにそのリスクが高まります。

普段ドローボールを打っている方でもそのような打ち方をしたら、フェースがインパクトで開いてしまうと思います。

すくい打ちをしてスライスを打ってしまっている方に、ボールを真横から払い打つような打ち方に変えてもらうだけで、スライスがストレート系のショットに変わることもあります。

では何故、すくい打ちをするとフェースがインパクトで開くか?

ということですが、ちょっとした実験をしてみます。

まず、実験のためにミドルアイアンなどを持っていつも通り構えてみます。

そしたら、すくい打ちをした時のインパクトを再現してみます。

下から上にヘッドを振り上げている思って大袈裟にやってみますが・・そのように振ろうとすると、インパクトで右肩が大きく下がります。

ですので、いつものアドレスの状態から思い切り右肩を下げて、下から上にボールをすくい上げているような形を作ってみます。

こうすると、どうなるでしょうか?

恐らく、フェースが開いた(右を向いた)のではないかなと、思います。

すくい打ちをすると、こんな感じで・・フェースが開きやすくなります。

実際にスイングをしてみると、スピードがついていますから、さらに開きやすくなることがあります。

若干のアッパーブローであれば、ここまでフェースが開きやすくなることはありません。

ただ、アッパーブローで打つ時は、フェースが開きやすくなる点を頭に入れておく必要があるかと思います。

アイアンは大丈夫なのに、ドライバーではスライスしてしまう原因がこのすくい打ちにあるケースも多いです。

その場合は、ボールをすくい打つのではなく・・ボールの真横から払い打つような意識で打ってみることでスライスが改善されることもあります。

その際は、ボールの横っ面をとらえるイメージと、それから、フォロースルーではフェースを閉じながら、ヘッドを長く低く出してゆくイメージでショットを打ってみてもいいかも知れません。

フェースを閉じる方法については後程詳しくご紹介します。

また、すくい打ちはボールを上げたいと思ったことで無意識のうちにやってしまっていることが多いです。

そのため、一旦ボールを(高く)上げることは忘れて、低く打ち出そうとしてみるのも、すくい打ちをやめるためには良い方法かも知れません。

低く打ち出そうとしても、高めのティーアップで、フェースの真ん中かそれよりもほんの少し上でボールをとらえることでボールは自然と上がってくれると思います。

3)ティーアップの仕方に問題がある?

ティーアップの仕方もスライス、特にプッシュアウト・スライスに関係していることがあります。

どんなティーアップが問題になりやすいかというと、先ほどのボールの半分がヘッドから出る高さよりも高くティーアップする場合です。

一般的には、アドレスの際はドライバーは地面に置いて構えることが多いと思います。

ただ、例えば、ボールの1/2以上がヘッドから出るような高さのティーアップの場合、インパクトでヘッドがアドレスの位置に戻ってきてしまうと、てんぷらが出てしまうことが多くなると思います。

てんぷらを打たないためには(ボールの下を打ちすぎてしまわないためには)、インパクトでヘッドを浮かせる必要があります。

ところが、アドレスでは地面に置いていたのに、インパクトでヘッドを浮かすと、ヘッドが前に押し出されてしまいやすく、ドライバーフェースのヒール寄りに当たってしまうことが多いです

すると、ボールにはスライススピンがかかりやすくスライスしやすくなりますし、また、このような形で打つと振り遅れてしまいやすく、プッシュアウトが出やすくなります。

その結果、プッシュアウト・スライスになる・・というケースもあります。

ですので、もし、ボールの1/2以上がヘッドから出るような高さでティーアップする場合は、ヘッドを地面から浮かせて、構えることが大切になってきます。

また、その方が、ボールを払い打ちやすくなるかと思いますので、すくい打ちをしている方の場合も、あえて、高くティーアップしてヘッドを浮かせて構えてみるのもおすすめです。

腕時計を使ったスライスの直し方

さて、ここでスライスの矯正方法について、一つ、ご紹介したいと思います。

スライスやフックボールもそうですが、直接的な原因はインパクトでのフェースの向きです。

スライスの場合はインパクトでフェースが開いてしまっているため、ボールは右へと曲がってしまいます。

ですので、スライスを直すためにはフェースをインパクトで閉じなければなりません。

当たり前のことのようですが・・ただ、インパクトで自分のクラブフェースが開いているか、閉じているか・・・というのは多くの方がわかっていらっしゃらないと思うのです。

特にドライバーの場合はアイアン以上にインパクトでのフェースの向きを感じ取ることが難しいです。

フェースが開いたな・・と感じることができる方は恐らく感覚が鋭い方か、上級者の方ではないでしょうか。

多くの場合、クラブヘッドは高速で動いていますから、フェースの向きを感じる取るということ自体、とても難しいことだと思います。

ただ、その向きを感じることができたら・・スライスは案外簡単に直せるかも知れません。

でも、実際にはクラブフェースそのものを感じることは難しい。

じゃあどうしたらいいか?

と言ったら、感じやすいものをクラブフェースの代わりに意識してみることもできると思います。

それは何でもいいのですが、今回は腕時計を使ってみたいと思います。

もっとも、クラブフェースそのものを意識できたらそれに越したことはないと思います。

ただ、フェースの向きをインパクトで全く意識できない・・・という場合は他のものに意識を向けることで、フェースをコントロールする感覚が身につくケースもあります。

そこで、腕時計を使います。

右利きの方で左腕に腕時計をしているということを前提にこれから話を進めてゆきたいと思います。

1)まず、腕時計をしていただいて、ドライバーを持っていつも通りに構えてみます。ボールもティーアップしておきますが、実際には打ちません。

スローモーションで素振りをしてゆきます。

2)さて、構えたら、いつも通りバックスイングして、ダウンスイングに入ります。

スローモーションでゆっくりとクラブを振り降ろしてゆきます。

そして、3)シャフトが地面と平行になったところで一旦スイングを止めてください。

ここが重要ですが、このポジションで左腕にした腕時計の文字盤が地面を向いているようにしてください。

もし、この位置で文字盤が空の方を向いていたら、フェースはかなり開いています。これだとインパクトではとても閉じることができません。

ですので、このシャフトが地面と平行の位置で腕時計の文字盤が地面を向いているように意識してみます。

もし、この通りにスイングしたら・・・かなりのフックボールになります。

ただ、実際にはスピードがついて、遠心力がかかっていますので、上記の位置を意識しても・・そこまでフェースを閉じることは難しいと思います。

ただ、いずれにしてもその位置を意識して(上記の位置まで)ゆっくりと素振りを10回ほど繰り返してみてください。

スイングする際は、ヘッド、または腕時計を見ないようにします。

シャフトが地面と平行の位置に来たときにはじめてスイングをストップして・・腕時計の向きを確認してください。

ただ、クラブフェースそのものよりも体に近い腕時計の方が、その向きを意識しやすいと思います。

この素振りを10回ほど繰り返して、毎回このポジションに持ってくることができたら、実際に5割程度の力でこの位置を意識しながら、ショットを打ってみます。

フルスイングではなくても、ハーフスイングでも構いません。

これで毎回大きなフックが打てるようになったら、次に腕時計の向きを微調整してゆきます。

インパクト前のシャフトが地面と平行になったポジションで腕時計が地面を向いているということはクラブフェースはかなり閉じている状態です。

これを少しづつ開いてゆきます。

もし、腕時計が真上を向いていたら、フェースは極端に開いた状態です。

ですから、この間で微調整をしてゆきます。

スライスを直すためには、この位置で斜め下を向いているように意識してもいいかも知れません。

そのように意識しても実際のスイングではもう少しフェースは開くと思いますので。

インパクト後もフェースをしっかりと閉じてゆく

さて、先程の腕時計を使ったドリルでは、インパクトの前にフェースを閉じてゆく・・という方法についてご紹介しました。

次は、インパクト、そして、インパクトの後です。

ドライバーでスライスを打っている方の中には、インパクトまではフェースを閉じようとしていても、インパクト後のフェースの動きにはあまり注意していない方もいらっしゃるかも知れません。

ボールを打った後にフェース、またはヘッドをターゲット方向に押し出そうとしている方もいらっしゃいます。

このような形になると、いくらインパクト前にフェースを閉じようとしても、インパクトの瞬間になると、フェースが開いてしまいやすくなります。

プロのスイングの超スローモーションを見ると、インパクト後にフェースが「えええ?」と思うほどに閉じていっていることに気づかれるかも知れません。

ストレート系のドローボールやドローボールを持ち球にしている選手の場合は特に。

ドライバーのスライスを直すためには、そんな風にして、インパクトの後のフェースの動きにも注目してみてもいいかも知れません。

具体的には、インパクトの前に、先ほどの腕時計のドリルでやったようにフェースを閉じながら、クラブを振り降ろしてゆきます。

インパクトでは、フェースをスクエアにしようと思うのではなくて、フェースが若干地面を向いている位の意識でもいいと思います。

「インパクトでフェースをスクエアにしよう」・・だと、スライサーの方の多くはスライスします。

そうではなくて、インパクトでフェースが地面を向いているようなそんな極端なイメージからスタートしてみてもいいかも知れません。

イメージとしては、テニスや卓球でボールにトップスピンをかけるような感じです。

卓球などでトップスピンをかける時はラケットの面をやや下に向けたまま・・ボールを打ちます。

ちょっと分かりにくいかも知れませんが・・上の選手のように、ラケットの面を少し地面に向けた状態で振り抜きます。

ゴルフの場合は(ドライバーで)、トップスピンがかかったボールは打ちませんが、意識としてはトップスピンをかけるような意識でドローボール、またはフックボールになるかと思います。

大事なのは、インパクトまでではなくて、先ほどのトップスピンをかけるイメージで、ボールを打ち終わった後もドライバーのフェースが若干地面を向いたまま、ヘッドを振り抜く意識でいいかと思います

フェースを閉じた状態でインパクトエリアに入ってきて、フェースを閉じたままインパクト、インパクト後もフェースはしっかりと閉じたまま・・クラブを振り抜く。

そんなイメージです。

フッカーの方がこの打ち方をすると大きく曲がるフックボールになりますが、スライサーの方の場合は、その位の意識でいいかも知れません。

まずは、確実にボールを左に曲げていきます。(フックボールを打ってゆきます)

確実に曲げることができるようになってから、曲がり幅を調節してゆくことの方が、どちらに曲がるかわからないボールをコントロールしようとするより、ずっと簡単です。

勿論、例外もあるのですが、基本的にはまず、確実に曲げてゆくということがドライバーもそうですが、アイアンのスライスの場合でも大事なことだと僕はそう思っています。

スコアが劇的に変わった人が実践したゴルフ理論とは
↑僕も実践してみました。その上達法やゴルフ理論の感想について書いてみました。一度ご覧になってみてください。