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ゴルフクラブの選び方

ユーティリティは必要?不要?ユーティリティのメリットについて

こんにちは。ゴルフ総研の森です。

ユーティリティについてはこれまで、

といった記事をご紹介してきました。

今回は、そもそもユーティリティは必要なのか?ということについて考えてみたいと思います。

「ユーティリティは必要か?」

ということですが、これは一概に必要とか、必要ではないという風には言うことができないと思うんですね。

というのも、その人によって必要となってくるクラブやセッティングが変わってくるためです。

中には、ユーティリティがあった方がいい人もいますし、中には、ユーティリティがなくてもいい人もいるかも知れません。

じゃあ、どんな人の場合はユーティリティがあった方がいいか?どんな人の場合は、ユーティリティはなくてもいいか?

ということですが、今回はゴルファーのタイプ別に、ユーティリティがあった方がいい人、なくてもいい人について、見てゆきたいと思います。

目次

ユーティリティとは、どんなクラブなのか?

写真は、タイトリストのユーティリティ。ロングアイアンよりも打ちやすく、ボールも上がりやすい。

ユーティリティの必要性についての話の前に、そもそもユーティリティとはどんなクラブなのか?ということについて簡単にご紹介したいと思います。

ユーティリティは、1990~2000年前後に市場に出回るようになった比較的新しいジャンルのクラブです。

以前は、3番アイアンや4番アイアンといったクラブをバッグに入れるのが一般的でしたが、ロングアイアンは打つのが難しく、殆どのアマチュアゴルファーにとっては扱いにくいクラブでした。

そのロングアイアンと同じ距離をもっとやさしく打てるように開発されたのが、ユーティリティになります。

そのため、ユーティリティは、3番や4番アイアンといったロングアイアンの代わりに入れるクラブ、もしくは、3番ウッド、5番ウッドなどのフェアウェイウッドとミドルアイアンの中間の距離を埋めるためのクラブになります。

ちなみに、ユーティリティは海外では「ハイブリッド」、もしくは「レスキュークラブ」と呼ばれていますが、これらは同じクラブのことを言っています。

ハイブリッド、レスキュークラブとは?ユーティリティとの違いは何?

クラブ全体のセッティングを考えた場合、ドライバー、フェアウェイウッド(3番ウッド、5番ウッド)、ユーティリティ、ミドルアイアン・・・といった形でクラブをセッティングしてゆく形になります。

ちなみに、このユーティリティの位置、3番アイアン、4番アイアンなどのロングアイアンの代わりのクラブですが、ユーティリティの他にもショートウッドという選択肢もあります。

これについては、ショートウッド(7番、9番ウッド)とユーティリティのどっちを選ぶ?にて詳しくご紹介していますので、よかったらそちらも参考になさってください。

あまり一気に色々書いてしまうと何だか複雑な話のように聞こえてしまうかも知れませんが、ただ、簡単に言うと、ロングアイアン(3番、4番、5番アイアン※)の代わりのクラブがユーティリティ・・というわけです。

※ロングアイアンというと4番アイアンより上のクラブという定義の仕方もあるのですが、最近では5番アイアンもロングアイアンに含める場合があります

ユーティリティのメリット

さて、そんな風にロングアイアンの代わりに開発されたユーティリティのメリットですが、簡単に言うと2つあります。

どちらもロングアイアンと比較して、という意味になりますが、ユーティリティはロングアイアンに比べて、重心を低く、尚且つ、重心深度(下の図参照)を深く設計できるため、ボールが上がりやすく、フェース上下のミスにも強いという特徴があります。

そのため、ロングアイアンとユーティリティを打ち比べた場合、殆どの人はユーティリティの方が打ちやすいと感じると思います。

「じゃあ、例えば、3番ウッドや7番アイアンもユーティリティにした方がいいのでは?」

・・と思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、ユーティリティの力が発揮できる範囲というのはある程度限られていて、例えば、3番ウッドと同じロフト角のユーティリティだと、ボールを上げるのが非常に難しくなると思います。

また、7番アイアンと同じロフト角のユーティティだと、7番アイアンの方がショットをコントロールしやすいと感じる人が多いと思います。

そういうことを考えると、ユーティリティに適したロフト角はおおよそロングアイアン相当のロフト角の範囲・・ということになると思います。

クラブメーカー、フォーティーンの創設者の竹林隆光さんは自身の著書「ゴルフクラブの真実」の中で「21度から26度くらい」がユーティリティがその力を一番発揮できるロフト角・・・と答えています。

21度から26度ですと、アイアンで言えば3番アイアンから5番アイアン程度ということになります。(ストロングロフトのアイアンであれば、3、4番アイアンから6番アイアン程度)

タイプやニーズ別に考えるユーティリティの必要性

さて、前置きが長くなりましたが、そういったことも踏まえた上で、「ユーティリティは必要か?」ということをゴルファーのタイプやニーズ別に考えてみたいと思います。

※下のリンクをクリックしていただくと、該当する項目まで飛びます。そのまま下にスクロールしていただくと、全部読むことができます。

初心者の場合

初心者の人の場合ですが、ユーティティは必要かどうか?というと、どうしても必要ではないと思います。

先ほど、ユーティティはロングアイアンの代わりに開発されたクラブ・・という風に書かせていただきました。

番手でいうと、3番アイアン~5番、もしくは6番アイアンの代わりにバッグに入れるクラブです。

これは距離で言うと(その人のヘッドスピードにもよりますが平均的なゴルファーの場合)、大体140ヤードから170ヤード程度ということになると思います。

この距離を打つためのクラブがユーティリティになると思うのですが、初心者の人の場合は、この距離は打ててもコントロールするのが難しい距離だと思います。

特にゴルフをはじめたばかりの人の場合は、そういった距離(160ヤード、170ヤードなど)を打つクラブはどしても必要というわけではないかも知れません。

例えば、コースで残り170ヤードであれば、グリーンを狙ってミスをして、大けがをするよりは・・・刻んで、2打でグリーンオンを狙う方が現実的だと思います。

また、距離のあるパー3の場合ですが、初心者の人の場合、まずは120切りや110切りを目指す人が多いと思います。

120を切る!120切りの7つの方法と戦略とは?でも書かせていただきましたが、120切りを目指す場合、パーオンは必要ありません。ダブルボギーオン※でも十分です。

※ダブルボギーオン・・・パー4のホールで、4打でグリーンに乗せること。パー5であれば、5打で乗せること。パー3であれば、3打で乗せること。

110切りを目指す場合でも、ダブルボギーオンかボギーオン※で十分です。

※ボギーオン・・・パー4のホールで、3打でグリーンに乗せること。パー5であれば、4打で乗せること。パー3であれば、2打で乗せること。

100切りを目指す場合でも、ボギーオンで十分。

そういうことを考えると、それなりに距離のあるパー3でもユーティリティはどうしても必要とは言えないと思います。

また、ティーショットでユーティリティを使うというのも1つの方法ですが、これもドライバーやフェアウェイウッドがあれば、どうしても必要というわけではないと思います。

ですので、初心者の人やこれからゴルフを始める人の場合は、ユーティリティはすぐに必要というわけではないかも知れません。

もっとも、最初からユーティリティも購入してしまうのも1つの方法だと思いますが、人によっては、ユーティリティよりも、ショートウッド(7番や9番ウッドなど)の方が合っている人もいると思います。

その辺を見極めるためにも、ある程度ゴルフに慣れてきた段階でユーティリティ(もしくはショートウッド)を検討していただいてもいいかも知れません。

シニア・女性ゴルファーの場合

シニアゴルファー、女性ゴルファーの場合ですが、ユーティリティは必要かといったら、これもその人によると思います。

ユーティリティはロングアイアンの代わりに入れるクラブという風に先ほどは書かせていただきましたが、特別、ロングアイアンに強いこだわりがない人の場合、ユーティリティの方が打ちやすいと感じると思います。

ただ、先ほども少し書かせていただきましたが、ロングアイアンの代わりに、ショートウッドを入れるという選択肢もあります。

特に力のない人の場合は、ユーティリティよりもショートウッドの方がボールが上がりやすく、打ちやすいと感じる人もいますので、その場合は、ユーティリティだけではなくて、ショートウッドも検討してみてもいいかも知れません。

ただ、シニアの方、女性の方の中でもヘッドスピードが速い人の場合は、ショートウッドだとボールが上がり過ぎてコントロールし難いと感じる場合もあります。

ですので、その辺は実際にどちらも試打してみるのがいいと思います。

また、例えば、3番アイアンの代わりはショートウッド、6番アイアンの代わりはユーティリティという選択もありかなと思います。

ユーティリティ、ショートウッドにはそれぞれ得意なことと不得意なことがあるのですが、それについてはショートウッド(7番、9番ウッド)とユーティリティのどっちを選ぶ?をご覧いただければ幸いです。

それから、ロングアイアン相当のクラブをバッグから抜いてしまうという選択肢もあります。

ロングアイアンで打つような距離は、平均的なシニアゴルファーの方であれば、およそ140ヤードから170ヤード程度の距離ということになるかと思いますが、そういった距離からグリーンを狙わない(刻む)という人の場合は、ユーティリティはもしかしたら、必要ないかも知れません。

女性の場合も、3番アイアンから6番アイアンで打つような距離からグリーンを狙わないという人の場合は、どうしてもユーティリティがあった方がいいということではないかも知れません。

ただ、ある程度のレベルに来て、そういった距離からでも積極的にグリーンを狙いたい場合は、やはりユーティリティ(もしくはショートウッド)はあった方がいいと思います。

中級者以上の場合

中級者以上の人の場合ですが、ロングアイアンは難しいから打ちたくない・・という人の場合は特に、ユーティリティ、もしくはショートウッドはあった方がいいのかなと思います。

ロングアイアンで打つ飛距離ですが、これは人にもよりますが、平均的なゴルファーの場合で、大体150ヤードから180ヤード程度の距離になると思います。

この距離を打てるクラブが必要という人で、ロングアイアンは避けたい人の場合は特に、ユーティリティ(もしくはショートウッド)は必要になってくると思います。

ユーティリティとショートウッド、どちらを選んだらいいかということについてはショートウッド(7番、9番ウッド)とユーティリティのどっちを選ぶ?にて詳しくご紹介していますが、今、簡単に書かせていただくと、ある程度のヘッドスピードがある人はユーティリティがおすすめ、ヘッドスピードが遅い人の場合は、ショートウッドの方が打ちやすいと感じることもあるかも知れません。

ロングアイアンが好きな人の場合

ロングアイアンが好きな人の場合は、ユーティリティは必要ではないかも知れません。

もっとも、ユーティリティの方が、ボールが上がりやすく、ミスにも強いわけですが、ただ、ロングアイアン(2番、3番、4番アイアン)のメリット・デメリットとは?ロングアイアンの代わりの選択肢もでも書かせていただいた通り、ロングアイアンにも、構えやすい、ラインを出しやすい、スイング中にフェース面を感じやすい・・・といったメリットがあります

ですので、一概にロングアイアンよりユーティリティを選んだ方がいいとは言えないと思います。

特にロングアイアンが好きという人の場合は、無理にユーティリティを入れる必要はないように思います。

ただ、ロングアイアンも好きだけど、もう少し打ちやすいクラブが欲しいと思った場合は、例えば、3番アイアンだけユーティリティに変えてみるのも1つの方法かも知れません。(4番アイアン、5番アイアンは残します)

また、コースによってセッティングを変えるというのも1つの考え方かなと思います。

例えば、極力、弾道の高さを抑えたいコース、コースコンディションの場合はロングアイアンで、少しショットに高さを出したい時は、ユーティリティ(ウッド型など)を使う・・といった選択肢もあってもいいかも知れません。

ということで、今回はユーティリティは必要か?それとも不要か?ということについて見てきました。

最後までお読みいただいて、ありがとうございました。

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