アイアンとは?【よくわかる!ゴルフ用語集】
アイアン(Iron)とは、英語で鉄という意味がありますが、ゴルフで言うところの「アイアン」とは、鉄で作られたゴルフクラブのことを指します。
(写真)下の写真のような形状をしたゴルフクラブをアイアンと呼びます。
目次
アイアンの特徴
ゴルフクラブには大きく分けて、ウッド、アイアン、パターの3つがありますが、アイアンはその中の1つで、主にグリーンを狙う際に使用するクラブになります。
ちなみに、ウッドはティーショットでフェアウェイを狙う際に使用するクラブ、パターはグリーン上でボールをカップに入れる際に使うクラブになります。
アイアンには番手といって、番号が付いていますが、一般的にこの番号が小さくなるほどにクラブについたロフト角※が小さく、また、シャフトが長くなります。反対に、この番号が大きくなるほどにクラブについたロフト角が大きく、また、シャフトが短くなります。
※ロフト角・・・下の図で示す角度のこと
例えば、5番アイアンは、9番アイアンよりもロフト角が小さく、シャフトが長くなります。
ロフト角が小さくなって、シャフトが長くなると、ボールはより低く出て、飛距離が伸びます。
反対にロフト角が大きくなって、シャフトが短くなると、ボールはより高く上がり、飛距離は落ちます。
アイアンは主にグリーンを狙うクラブになりますが、ロフト角やシャフトの長さが違うアイアンをいくつも用意することによって、同じスイングで距離を打ち分けられる・・というわけです。
例えば、全く同じスピード(スイングスピード)でスイングしても、7番アイアンなら140ヤード飛ぶけど、9番アイアンで打つと110ヤード飛ぶ、といった風に、スイングのスピードや大きさを調節しなくても、アイアンを持ち替えることで飛距離を調節することができます。
飛距離は、スイングのスピードや大きさを調節することでも調整できますが、一般的にはアイアンを持ち替えることで飛距離を調節する方が簡単になります。
そのため、ゴルフバッグには何本か(4本~)のアイアンを入れるのが一般的です。
アイアンの分類と飛距離の目安
アイアンは、番手によって3つに分類することができます。それらは、1)ロングアイアン、2)ミドルアイアン、3)ショートアイアンの3つになります。
1)ロングアイアン
1番、2番、3番、4番アイアンを「ロングアイアン」と言います。ただし、5番アイアンもロングアイアンに分類されることもあります。
以前はロングアイアンをバッグに入れるのが一般的でしたが、近年では打つのが難しいロングアイアンの代わりに、ユーティリティやショートウッドをバッグに入れるのが一般的になっています。
ロングアイアンの飛距離の目安:190ヤード~160ヤード(男性)/150ヤード~120ヤード(女性)
2)ミドルアイアン
5番、6番、7番アイアンを「ミドルアイアン」と言います。ただし、5番アイアンはロングアイアンに分類される場合もあります。また、8番アイアンもミドルアイアンに含める場合もあります。
ミドルアイアンの飛距離の目安:150ヤード~130ヤード(男性)/110ヤード~90ヤード(女性)
3)ショートアイアン
8番アイアン以下のアイアン(8番、9番アイアン)のことを「ショートアイアン」と言います。
ショートアイアンの飛距離の目安:120ヤード~80ヤード(男性)/80ヤード~50ヤード(女性)
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アイアンの種類
アイアンは主に3つのタイプ、種類があります。それらは、1)キャビティアイアン、2)マッスルバックアイアン、3)中空アイアンの3つです。
1)キャビティアイアン
ヘッドの後ろが下の図のようにくり抜かれたアイアンのことを言います。キャビティアイアンの特徴は打ちやすく、ミスに強いといった点になります。万人向けのアイアンで、特に初心者の方にはキャビティタイプがおすすめです。
2)マッスルバックアイアン
ヘッドが一枚の板のような構造をしたアイアンになります。プロや上級者に好まれるタイプのアイアンで、操作性や打感が良いのが特徴です。
3)中空アイアン
ヘッドの中が空洞になっているのが中空アイアンです。フェース上下のミスに強く、ボールが上がりやすいといった特徴があります。
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番手別アイアンの名前
アイアンにはそれぞれ番手別に名前が付いています。
※現在、アイアンは「○番アイアン」といったように番手で呼ばれることが多く、一般的には名前で呼ばれることは殆どありませんので覚える必要はないと思います。ただし、ウェッジ(PW、AW、SWなど)の場合は下記のように呼ばれるのが一般的です。
1番 ドライビングアイアン
2番 ミッドアイアン
3番 ミッドマッシー
4番 マッシーアイアン
5番 マッシー
6番 スペードマッシー
7番 マッシーニブリック
8番 ピッチングニブリック
9番 ニブリック
PW ピッチングウェッジ
AW アプローチウェッジ
SW サンドウェッジ
LW ロブウェッジ
アイアンでよくある質問
最後に、アイアンでよくある質問をまとめてみたいと思います。
Q1 アイアンは何番アイアンから揃えたらいいですか?
メーカーやモデルによってロフト角の設定が違うので一概に何番からがいいとは言えないのですが、1つの目安として、初心者の方であれば、最低でも7番アイアン、もしくは、ストロングロフトのアイアンであれば8番アイアン以下を揃えるといいと思います。
これはロフト角で言うと、おおよそ27度以上(27度、28度、29度・・・etc.)のロフト角になると思います。
26度以下のロフト角(26度、25度、24度・・・etc.)の場合は、アイアン(3番、4番、5番、6番アイアン)、ユーティリティ、もしくは、ショートウッドを入れるという選択肢があります。
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Q2 ウッドとアイアンのメーカーは揃えた方がいいですか?
同じメーカーではなくても構わないと思います。ウッドとアイアンでメーカーが違う人も大勢います。
Q3 ロングアイアンは買った方がいいですか?
以前はロングアイアンをバッグに入れるのが一般的でしたが、近年では打つのが難しいロングアイアンの代わりにユーティリティやショートウッドを入れる人が増えてきました。
ですので、無理にロングアイアンを買う必要はないと思います。ただ、ロングアイアンには打つのが難しいというデメリットだけではなくて、ヘッドの操作性がいい、構えやすいといったメリットもありますので、もし気になった場合は、試打レンタルサービスなどを使ってまずは試打してみるのもいいかも知れません。
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Q4 ロングアイアンとユーティリティ、ショートウッドのどれを選んだらいいですか?
基本的な考え方としては、
ロングアイアン・・・操作性や構えやすさ、打感を重視する人向け。ヘッドスピードが平均以上ある人におすすめ。
ユーティリティ・・・打ちやすさと操作性のバランスを求める人向け。
ショートウッド・・・打ちやすさやボールの上がりやすさを求める人向け。ヘッドスピードが平均以下の人や女性ゴルファーにもおすすめです。
詳しくは下記の記事でご紹介していますのでよかったらそちらを参照ください。
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Q5 簡単なアイアンが欲しいのですが、どんな風に選んだらいいですか?
実はその人によって、またはそのゴルファーのタイプやレベルによっても、何が簡単かは変わってきます。
上級者の人にとって簡単なアイアンと初心者の人にとって簡単なアイアンは全く違ってくることがありますので、もし、誰かの意見や口コミを参考にするのであれば、自分と似たようなタイプ(レベルや打っているショットの傾向、身長など)のゴルファーの意見や口コミを参考にするといいかも知れません。
アイアンの選び方については下記の記事にてご紹介していますので、よかったらそちらを参照下さい。
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Q6 大型ヘッドと小型ヘッドの違いは何ですか?
大型ヘッドはスイートスポットが広く、ミスに強いのが特徴ですが、ヘッドが大きくなることで操作性は落ちます。一方、小型ヘッドは大型ヘッドに比べるとミスには弱くなりますが、操作性が良くなります。
Q7 ソール幅が広いものと狭いものの違いは何ですか?
ソール幅※が広いアイアンは、ボールは上がりやすいという利点があります。一方、ソール幅が狭いアイアンは、フェース面を感じやすい、操作性がいいといった利点があります。
※ソール幅・・・下の図で示す幅のこと。ソールとはアイアンの底の部分になります。
Q8 初心者にはグースネックがいいと聞きましたが、本当ですか?
グースネック※の方がボールのつかまりが良くなりますので、スライスが出ることが多いという人にはおすすめです。
※グースネック・・・下の図のように、シャフトに対してフェース部分が後方にくる形のネック形状のこと。
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Q9 アイアンのシャフトはどのように選んだらいいですか?
簡単にご紹介すると、
ヘッドスピードが平均以上の人
スチールシャフト。硬さはSかRがおすすめ。
ヘッドスピードが平均的な人
軽量スチールシャフトかカーボンシャフト。硬さはRがおすすめ。
ヘッドスピードが遅い人
カーボンシャフト。硬さはRかそれよりも柔らかいシャフト(Aなど)がおすすめ。
女性の場合
基本的にはカーボンシャフトで硬さはLがおすすめ。ヘッドスピードが速い人はAシャフトやRなども検討してもいいかも知れません。
また、上記のヘッドスピードとは別に、スイングのテンポによっても合うシャフトが変わってくることがあります。
- スイングのテンポが速い方・・・硬めのシャフト
- スイングのテンポがゆったりとした方・・・軟らかめのシャフト
が合う可能性があります。
例えば、ヘッドスピードが速い人の場合でも、ゆったりとしたテンポ(ゆっくり大きく振ってゆくタイプ)の人の場合は、Sではなくて、Rシャフトの方が合っている場合もあります。
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Q10 アイアンを選ぶ時に一番気を付けなければならないことは何ですか?
これを一番気を付けてください・・とお伝えするのは難しいのですが、あえて挙げるとすると、ライ角は非常に重要になってきます。ライ角が合わないと打てるショットも打てなくなることがあるためです。
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Q11 鍛造と鋳造の違いは何ですか?
鍛造(たんぞう)とは、金属を叩いてヘッドの形を作ってゆく製法のこと。
鋳造(ちゅうぞう)とは、溶かした金属を型に流し込んでヘッドを作る製法のことを言います。
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Q12 飛ぶアイアンの方がやっぱりいいでしょうか?
これはアイアンにどんなことを求めるかによっても変わってくると思います。
例えば、アイアンに操作性を求める人の場合は、飛ぶアイアンは使いにくいアイアンになってしまうと思います。
どんなものでもそうかも知れませんが、ゴルフクラブの場合も、何か飛び抜けた特徴があるということは、そのために失っているモノもあるということで、飛ぶという特徴があるアイアンの場合、操作性など、何かを失っていることが多いものです。
飛ぶアイアンも勿論魅力的ではありますが、アイアンがグリーンを狙うクラブであることを考えると、操作性というものも重要になってくると思います。
ただ、これはその人がアイアンに何を求めているかによっても変わってくると思いますので、アイアンを選ぶ際は、アイアンに何を求めるか?ということを明確にしてみるといいかも知れません。
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