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ゴルフ基礎編

テンフィンガーグリップ(ベースボールグリップ)の握り方。本当の利点と欠点とは?

テンフィンガーグリップとは、ベースボールグリップと言われることもありますが、オーバーラッピンググリップインターロッキンググリップのように右手の小指を左手にからめないで、10本の指で握るタイプのグリップです。

このテンフィンガーグリップ、またはベースボールグリップは一般的には、力のない女性ゴルファーやシニアゴルファー、またはジュニアゴルファーに向いていると言われています。

ただ、実際には、このテンフィンガーグリップで握っている人は、国内外のプロでもいます。

それは今にはじまったことではなくて、少し昔の話をすれば、全米プロで優勝したボブ・ロズバーグというゴルファー(後に米ABCスポーツの解説者となる) もテンフィンガーグリップ。

世界ゴルフ殿堂入りを果たした米LPGAツアーのベス・ダニエルも同じようにテンフィンガーグリップでした。

アマチュアに関しても、多くの方が思っているよりも、このタイプのグリップで握っている人もいます。

これはゴルフ情報サイト Golfistaが全国の30代から40代のゴルファー100人を対象に行った調査結果になります。(Golfistaさんの調査結果をもとに表を作成しています)

参考:【100名徹底調査】あなたはどの握り方(グリップ)ですか? Golfista

もっとも、この数値はその時々によっても変わってくるものだと思いますし、年代によっては全く違った結果になることもあると思います。

ただ、案外、テンフィンガーで握っている人は多いように思います。

テンフィンガーグリップは力のない人や手の小さい人に向いている・・とは言われてきましたが、実際にはプロでもこのグリップを採用する人もいますし、また、力のある男性アマチュアゴルファーでもこのグリップを好んで採用している人もいます。

テンフィンガーグリップの本当の利点というのは、力のない人に向いているということだけではなく、もっと他にもあるように思います。

今回はそんなテンフィンガーグリップの握り方とそのポイントについて、また、本当の利点と欠点について、ご紹介してゆきたいと思います。

最初にテンフィンガーグリップの握り方のポイントについてご紹介しますが、テンフィンガーグリップの握り方がわかっていらっしゃる方は、そこを飛ばしていただいても結構です。

それでは早速見てゆきたいと思います。

目次

テンフィンガーグリップの握り方

さて、まず最初にテンフィンガーグリップの握り方についてご紹介したいと思います。

基本的には、他のグリップ、オーバーラッピンググリップ、インターロッキンググリップと似ていて、右手の小指の握り方だけを変えるような形になります。

1)左手でまず握る

まずは左手から握ってゆきます。左手を握った時に左手のこぶしの山が2個半見えるように握ってゆきます。


写真はこぶしの山をわかりやすく写すために手を上げて撮影していますが、実際は構えて、さぁ、ボールを打つぞ・・という時に、左手を見て、こぶしの山を確認してみてください。

ミスするときはスライスが多い・・という人、またはドローボールを打ちたいという方は、左手のこぶしの山が3個、または、3個半見えるようにしてみてください。

このように握ると、フックグリップ(ストロンググリップ)になり、スイング中にフェースが開きにくくなります。

もう1つのポイントですが、左手の人差し指と親指でできるV字に注目してみます。

このV字が右耳の辺りを指すようにします。(スクエアグリップの握り方参照)

このV字があごを指しているとウィークグリップになります。(フェースがスイング中に開きやすくなります)

ちなみに、左手のこぶしの山が3つ見えるようにする場合は、左手の人差し指と親指の間でできるV字が右肩の辺りを指すようにします。

左手のグリップを握る際のもう一つのポイントですが、下の写真のように左手の小指からグリップエンド(グリップの一番先端の部分)まで、少しスペースを空けます。

おおよそ、1.5センチから2センチ弱、スペースを空けるといいと思います

グリップエンドのギリギリまで握ってしまうと、左手のグリップがスイング中にぐらついてしまうことがありますので、注意するようにします。

左手のグリップはこれで完成です。横から見るとこんな形になります。

ちなみに、左手の親指ですが、上の写真のように伸ばす形をロングサムと言います。

他に親指を上の写真のようには伸ばさないショートサムという握り方もありますが、当サイトではロングサムの形をおすすめしています。

その理由については下記でご紹介していますので、よかったらそちらをご覧ください。

ロングサムとショートサム。左手の親指の位置について

2)右手で握る

右手のグリップの握り方は両手の平は平行にで詳しくはでご紹介しておりますので、そちらも参考にしていただければ幸いです。

基本的な考え方としては、両手の平が平行になるような意識で右手を握るということになります。

右手の人差し指と親指の間でできるV字が、左手のそれと平行になるようにします。

右手の人差し指と親指の間でできるV字:

ですから、この場合は右耳の辺り、もしくはそれよりも若干右を指していることになると思います。

左手のこぶしの山が3つ見えるようにグリップする場合は、この右手の人差し指と親指の間のV字が右肩の方、またはそれよりも若干右を指すように調整してみてください。

3)右手の小指について

ここまでは、左手と右手の握り方を別々に見てきました。

最初に左手で握って、次に右手で握ってゆくわけですが、テンフィンガーグリップの場合は、右手の小指がポイントになってきます。

ポイントは左手と右手の間に隙間ができないように握ることです。

こんな感じで右手と左手の間に隙間ができないように握ります。

下の写真のように左手と右手の間に隙間ができてしまわないようにします。

少し角度を変えて。

また、左手に右手を合わせてゆく際のポイントですが、左手の親指の上に右手の平の生命線が来るような形で握ると、両手がぴったりと重なりやすいです。

この右手の平の生命線が左手の親指の上に来るように(↓)

もうちょっと大きな写真で。

下の赤い線が左手の親指の上に来るように(↓)

左手の親指の上に、右手の平の生命線が来るように握ってゆきます(わかりやすいように右手の親指はグリップから離しています)(↓)

ここがずれてしまうと、スイング中に両手の位置が動いたりして、スイングそのものもブレてしまうことがありますので、注意してみてください。

先ほど、左手の親指の上と書きましたが、左手の親指の真上ではなく、それよりもほんの少し右側に右手の平の生命線が来た方が両手がぴったりと重なる場合もありますので、その辺は試行錯誤してみてもいいかも知れません。

また、スライス系のショットが多い方の場合は、左手の親指の真上ではなく、それよりもほんの少し右側に右手の平の生命線が来るようにしてみてもいいかも知れません。

その方が右手がストロング気味(フェースを閉じやすいということになります)で握れることがありますので。

さて、これでテンフィンガーグリップは完成です。

握り方のまとめ

少しまとめると、ポイントは、

1)左手のこぶしの山が2個半から3個見えるようにする

2)左手の親指と人差し指の間でできるV字が右耳か、右肩を指すように

3)右手の人差し指と親指の間でできるV字が右耳かそれより若干右、または、右肩かそれより若干右を指すようにする

4) 左手と右手の間に隙間ができないように握る

5)左手の親指の上に、右手の平の生命線が重なるように握る

といった点がポイントになってくると思います。

それからもう一つ、重要なポイントがあって、このようにグリップを握ることも大事なのですが、構えた際のグリップの位置も重要になってきます。

グリップ(両手)の位置ですが、アドレス時のグリップ(両手)の正しい位置とは?でもご紹介した通り、両手が左足太もも内側の前に来るように握ります。

この位置で握ると、ドライバーを除くとほぼ、若干ハンドファーストで構える形になると思います。

すると、スイング中もフェースが開きにくくなります。

詳しくは、ハンドファーストとハンドレイト。構え方とインパクト。ドライバーについてもを参照ください。

テンフィンガーグリップの本当の利点と欠点とは?

冒頭でも書かせていただきましたが、テンフィンガーグリップは、力のない女性やシニアゴルファー、または手の小さなゴルファーに向いていると言われてきましたが、ただ、プロでもこのグリップで成功した人もいます。

また、アマチュアの力のある男子ゴルファーでもこのグリップでクラブを握っている人も多くいます。

テンフィンガーグリップにはもっと別にその利点があると思いますし、僕としては上記の方以外にもおすすめできるグリップだと思っています。

もっとも、オーバーラッピンググリップやインターロッキンググリップよりも優れたグリップだと言っているわけではありません。

何が一番優れているかは、その人によって変わってくるものだと思いますので。

ただ、テンフィンガーグリップは、少なくとも一度は、試してみる価値のあるグリップだと思っています。

さて、そんなテンフィンガーグリップの利点、それから欠点について少し見てゆきたいと思います。

ゴルフのグリップの3つの種類と利点・欠点でも簡単にご紹介しましたが、このグリップの利点と欠点は:

利点について

1)右手、左手どちらが主導でも振りやすい
2)クラブをコントロールしやすいグリップである
3)小指をからめたり、重ねたりしないので、初心者の方には違和感が少ない
4)飛距離が出やすい

少し詳しくご説明すると・・

1)右手、左手どちらが主導でも振りやすい

例えば、オーバーラッピンググリップの場合、左手主導で振りやすいと言われることがあります。

左手は5本の指全部で握っているのに対して、右手は小指を左手にかけているわけですから、左手の方が力が入りやすいかも、知れません。

インターロッキンググリップの場合は、右手主導で振りやすいと言われることがあります。

インターロッキングの場合は左手と右手の小指をからめるように握るわけですが、どちらかというと、右手の小指が下に来るような感覚で、右手主導で振りやすいこともあるかも、知れません。

一方で、テンフィンガーグリップの場合は、左手も右手も全部の指でグリップを握るわけですから、左主導でも、右主導でも、どちらでもいけると言いましょうか、または、どちらが主導でもなく、両手でボールを打つような、そんな感覚で打てることもあります。

2)クラブをコントロールしやすいグリップである

これは、テンフィンガーグリップに変えて、そう感じる人も結構いらっしゃるのですが、テンフィンガーグリップはクラブをコントロールしやすいグリップでもあると思います。

その理由はいろいろと考えられますが、やはり一番は全部の指で握っているから、だと思います。

オーバーラッピングと比較すると、指一本の違いではありますが、9本と10本ではやはり違うのかも知れません。

3)小指をからめたり、重ねたりしないので、初心者の方には違和感が少ない

オーバーラッピングやインターロッキングリップというのは、特殊な握り方、ゴルフ特有の握り方だと思います。

そのため、初心者の方は最初はかなり違和感を感じることがあるかも知れません。

一方で、テンフィンガーグリップは、言ってみれば、野球のグリップに近いです。

だから、野球をしていた方などは、このテンフィンガーグリップの方がしっくりくると感じる方も多いかも知れません。

4)飛距離が出やすい

テンフィンガーグリップにしたことで飛距離が伸びたと感じる方も結構います。

その理由ですが、やはり、10本、全部の指で握った方が力が入りやすいのかなと、思います。

テンフィンガーグリップが飛距離が出やすい理由は他にも2つあります。

それらは、

①右手を使いやすい
②手首のコックを使いやすい

・・ということになります。

インターロッキングも右手を生かしやすいグリップではあると思いますが、右手の小指でもしっかりと握ってゆくテンフィンガーグリップの方が、右手は生かしやすいのではないかなと、思います。

そのため、右利き、右打ちの方は特に、このグリップにすることで飛距離が伸びるケースもあります。

②手首のコックを使いやすい・・ということですが、テンフィンガーグリップで握ると、右手の位置が他のグリップよりもほんの少しではありますが、下にきます。

ということは、本当に若干ではありますが、ハンドダウン気味に構える形になります。(他の2つのグリップと比較してという意味になります)

ハンドダウンとハンドアップでもご紹介しましたが、ハンドダウン気味で構えることで、手首が適度にコックされた状態でグリップが握れるようになることがあります。

すると、スイング中も手首のコックがフルに使いやすくなります。

この手首のコックというのは、ヘッドスピードに深く関係していて、だから、結果として、テンフィンガーグリップで握ることで、飛距離が伸びるというケースもあります。

手首のコックについてはグリップの握り方と手首のコックにて詳しくご紹介しておりますので、詳しくはそちらをご覧ください。

いずれにしても、飛距離不足で悩んでいる方の場合は、一度、テンフィンガーグリップを試してみる価値はあるかも知れません。

欠点について

1)慣れないと一体感が持てない
2)右手を使いすぎて、フックボールが悪化するケースもある
3)ショットが安定しなくなるケースもある
4)一般的なグリップではないので、お手本が少ない

さて、欠点ですが、上記のようなポイントが挙げられるかも知れません。

1)慣れないと一体感が持てない

グリップに一体感を求めるゴルファー、特に中級者の方や上級者の方の中には、両手の一体感を大事にされている方もいらっしゃるかも知れません。

そういう意味では、オーバーラッピンググリップやインターロッキンググリップは右手の小指を左手にからめるわけで、両手の一体感が出やすいグリップであると言えます。

一方で、テンフィンガーグリップは、両手をピッタリとはつけるのですが、どこかをからめるわけではないので、上記のグリップに比べると一体感が感じられない・・という方もいらっしゃるかも知れません。

2)右手を使いすぎて、フックボールが悪化するケースもある

テンフィンガーを試した方の中には、力が入っていいけど、右手がききすぎて、フックボールが悪化したという方もいます。

言い方を変えると、フックボール(ドローボール)を打ちやすいグリップということではあると思いますが、フックボールで悩んでいる方の場合は、フックボールがやや悪化するケースもあるかも知れません。

3)ショットが安定しなくなるケースもある

これも上記と同じような理由ですが、両手に一体感が持てないこと、右手がききすぎてしまうことで、ショットが左右にブレる、安定しないと感じる方もいるかも知れません。

4)一般的なグリップではないので、お手本が少ない

テンフィンガーグリップは、一般的なグリップではないので、周りにお手本となる人が少ないのも欠点かも知れません。

また、テンフィンガーがマイナーなグリップの握り方のため、「自分がテンフィンガーで握っていることを隠していました」・・なんて方もいます。

最後に。グリップを変えてスライスを克服したゴルファー

以前、スライスで悩んでいたゴルファーがいました。

スイングを見てほしいと言われて見てみると、グリップの握り方、特に右手の握り方に少し問題があって、そのために右手(右腕)がうまく使えていないように感じたのです。

そこで、彼に両手のグリップを離して(右手の一部がシャフトにかかるくらいまで左手から離して)握ってもらいました。

その上で、素振りをする時にフェースの向きがスイングの間、どこを向いているのかを意識してもらった所、通常のグリップ(彼の場合はオーバーラッピング)では感じられなかったフェースの向きが分かったと、彼は僕に言いました。

今度はその右手の位置を元に戻してもらいましたが、右手の小指は左手にはからめず、テンフィンガーグリップで握ってもらいました。

そして、同じようにフェースがスイング中(特にダウンスイングからインパクトにかけて)どこを向いているのかを感じとってもらいましたが、同じようにフェースの向きが分かったというのです。

また、彼の場合、オーバーラッピングやインターロッキンググリップで握ると、どうしても右手がウィークグリップになってしまうという問題点があったのですが、テンフィンガーで握ってもらうと、その問題は解消していました。

テンフィンガーグリップで握ることで、このようにスイング中のフェースの向きが感じられるようになったり、右手を(その人にとって)正しく握れるようになることもあります。

さて、フェースの向きが感じられるようになった彼ですが、インパクトの前とそれからインパクトの後もそのフェースがやや地面を向いているように意識してスイングしてもらいいました。

彼が打ったそのショットは力強いドローボールでした。

彼はもう1つ、手首のコックを使いやすいという点に気づいたようで、ヘッドスピードが上がり、飛距離も伸びたと後になって教えてくれました。

このグリップは飛距離は出るけど、欠点は両手に一体感が出にくく、右手がききすぎてしまうことがあるためにショットがブレること・・以前の僕はそう思っていたのですが、彼はむしろコントロールが良くなったと僕に言いました。

右手が使いやすく、そして何よりフェースの向きをスイング中に感じやすくなったためにコントロールが良くなったのかなと・・思いました。

それから僕はこのグリップに対する考え方も変わってゆきました。

飛距離も出て、コントロールもできるグリップ、今ではそう思っています。

勿論、個人差があると思うのです。

上記の彼のように誰もがこのグリップが合っているとは限りません。ただ、試してみる価値はあるのかなとは、思います。

特にスライサーの方や飛距離不足を感じている方などは一度は試す価値があるグリップだと思います。

勿論、プロの間などではマイナーなグリップ方法ではありますし、ゴルファー全体で見れば、まだまだテンフィンガーグリップで握っているゴルファーは少ないのが現状だとは思います。

ただ、何が良いとか、何が常識だとか、何が当たり前だとかということは、時と共に変わっていってもいいのかなと・・思っています。

最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。

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↑僕も実践してみました。その上達法やゴルフ理論の感想について書いてみました。一度ご覧になってみてください。