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ショートゲーム編

パターの構え方。オープンスタンスとクローズスタンスの利点と特徴

前回、スタンスの3つのタイプ 「スクエア、オープン、クローズ」では、通常のショット、ドライバーやアイアンを打つ際のスタンスの向きについてご紹介しました。

今回はパターのスタンスの向きについて見てゆきたいと思います。

パターのスタンスですが、主に3つあります。それらは、

基本はパターの打ち方と構え方の基本でもご紹介させていただいた通り、①スクエアスタンスなのですが、中には②オープンスタンスや③クローズスタンスで構えるプロもいます。

今回はこの3つの中でも特に②オープンスタンスと③クローズスタンスについて詳しく見てゆきたいと思います。

目次

3つのスタンス

冒頭でもご紹介しましたが、パターも通常のフルショットと一緒で主に3つのスタンス、構え方があります。

①スクエアスタンス

ボールと目標を結んだ目標ラインに対して、両足を結んだラインが平行になるように構える方法です。

このスクエアスタンスがパターの場合も基本的な構え方になります。

②オープンスタンス

両足を結んだラインがスクエアスタンスの時よりも左を向くのがオープンスタンスです。

③クローズスタンス

両足を結んだラインがスクエアスタンスの時よりも右を向くのがクローズスタンスです。(クローズドスタンスとも言う)

以前、ゴルフダイジェストが行った調査では、平均スコア90台のアマチュアの74%はスクエアスタンスで構えているという結果になりました。

ちなみに、オープンスタンスは23%、クローズスタンスは3%という結果になっています。

やはりアマチュアの場合は、基本に忠実に構えようとする人が多いのかも知れません。この調査では、スクエアスタンスが圧倒的に多いという結果になりました。

この3つの中でどれがいいか?・・・ということですが、スクエアスタンスが基本になりますので、最初はスクエアスタンスで構えてみるのがおすすめかなと思います。

ただ、その後で自分なりに、オープンスタンスやクローズスタンスも試してみるのはいいかも知れません。

パターの場合は特に、どうしてもスクエアに構えなければならないというわけではありませんので、オープンスタンスでもクローズスタンスでも構わないと思います。

自分にとって一番合っていると思うスタンスにするのが大事だと思いますし、スクエアではなく、オープンスタンスの方が入る、クローズスタンスの方が入る・・と感じている人もいらっしゃいますので。

ここからは少し、オープンスタンス、そして、クローズスタンスの利点や特徴について、見てゆきたいと思います。

オープンスタンスの利点と特徴

まず、最初にオープンスタンスの利点とその特徴などについて見てゆきたいと思います。

オープンスタンスは、一般的には、感覚を大事にしてパットを打つ人に合っていると言われています

ジャック・ニクラウス、アーノルド・パーマー、グレッグ・ノーマン、ベン・クレンショーといった名プレーヤー達、パターの名手と言われたプロ達はこのオープンスタンスで構えていました。

オープンスタンスの利点、そして、特徴ですが、主に5つあります。

1)ラインがよく見える

先ほども挙げましたが、ゴルフの帝王と呼ばれたジャック・ニクラウスはオープンスタンスでパットを打っていました。

両足を結んだラインがカップとボールを結んだ目標ラインに対して開くように構えていたわけですが、ニクラウスはこのオープンスタンスについて、「カップがよく見える」と話したと言います。

同じような理由、カップがよく見えるという理由でオープンスタンスで構えている人は多いと思いますし、それが(カップがよく見えるということが)オープンスタンスの大きな利点だと思います。

2)ラインに打ち出しやすい

これは個人差があるかも知れませんが、オープンスタンスで構えている人の中には、このスタンスの方がラインにボールを打ち出しやすいと感じている人もいます。

3)フォロースルーでヘッドを出しやすい

オープンスタンスで構えた方がフォロースルーでヘッドを出してゆきやすいかも知れません。

そういう意味で、オープンスタンスはパットをショートしてしまうことが多い人にはいいかも知れません。

4)ヘッドアップを防止できる

ヘッドアップとは、インパクト前後で頭を上げてしまうことですが、ヘッドアップをするとヘッドの軌道もブレやすくなります。

オープンスタンスはカップがよく見えるので、ボールの行方が気になってヘッドアップをしてしまう・・ということが減る可能性があります。

5)距離感が合いやすい

レッスンプロの江連忠さんはオープンスタンスの方が距離感が出しやすいと指摘しています。

これもカップがよく見えるということが関係しているのかも知れません。

スクエアスタンスで構えていて、距離感が今一合わないと感じている人の場合も、オープンスタンスを試してみる価値はあるかも知れませんね。

オープンスタンスの構え方

オープンスタンスの構え方ですが、スクエアに構えたら、その後で左足を少し後ろに引くようにします。(右利きの人の場合)

スクエアに構えたら・・

その後に左足を少し後ろに引きます。後はボールとの距離を調節して完成。

左足をどの程度後ろに引くか・・ですが、特に決まりはありません。左足を後ろに引けば引くほど、オープンスタンスの度合いが強くなります。

最初は思い切って左足を大きく後ろに引いてみて、そこから少しづつオープンスタンスの度合いを弱くしながら、実際にパットを打ってみるといいかも知れませんし、その反対で、少しづつ左足を後ろに引いていきながらパットを打ってみて・・自分に合う位置を探すのもいいかも知れません。

左足を後ろに引く際ですが、1つ、注意点があります。

それは、左肩まで一緒に引かないようにするということです。左肩も後ろに引いてしまうと、体全体がオープンになり、引っ掛けが出やすくなりますので、注意してください。

クローズスタンスの利点と特徴

次にクローズスタンスの利点や特徴について見てゆきたいと思います。

クローズスタンスですが、一般的には「ストローク派に合っている」なんて言われることがあります。(感覚を大事にする感覚派に比べて、ストロークの技術を大事にする人に向いている)

先ほどのアマチュアを対象とした調査では、クローズスタンスはマイナーな構え方でしたが、プロの中でもクローズスタンスで構えている人もいます。

02年、07年に賞金王に輝いた谷口徹プロはクローズスタンスで構えていたようです。

クローズスタンスですが、主にこんな利点、特徴があります。

1)ラインに打ち出しやすい

スクエアスタンスよりも、クローズスタンスの方が自分が思ったラインに打ち出しやすいと感じる人もいます。

ただ、先ほども書かせていただきましたが、オープンスタンスの方がラインにボールを打ち出しやすいと感じる人もいますので、この辺は個人差があるかも知れません。

ちなみに先ほどもご紹介したゴルフコーチの江連忠さんは、クローズスタンスはラインにボールを打ち出しやすいと指摘しています。

2)引っ掛けを予防できる

クローズスタンスにすると、スクエアスタンスに比べて、パターヘッドがダウンストロークでインサイドから降りてきやすいので、引っ掛けを予防できます。

3)ストロークが安定する

クローズスタンスの方がストロークが安定するという人も多いです。

クローズスタンスの構え方

クローズスタンスの構え方ですが、スクエアに構えたら、その後で、右足を少し後ろに引くようにします。

スクエアに構えたら・・

右足を少し後ろに引きます。後はボールとの距離を調節して完成。

右足をどの程度後ろに引くかに決まりはありませんが、右足を後ろに引くほど、クローズスタンスの度合いが強くなります。

オープンスタンスの時と一緒で、最初は思い切って右足を大きく後ろに引いてみて、そこから少しづつクローズスタンスの度合いを弱くしながら、実際にパットを打ってみてもいいかも知れませんし、その反対で、少しづつ右足を後ろに引いていきながらパットを打ってみてもいいかも知れません。

右足を後ろに引く際ですが、右肩まで一緒に引かないようにするのがポイントになります

右肩まで後ろに引いてしまうと、体全体がクローズになり(右を向く形になり)、プッシュアウトが出やすくなりますので、注意してください。

スクエア、オープン、クローズのどれを選んだらいいか?

さて、ここまでオープンスタンス、そして、クローズスタンスの利点や特徴などについて見てきました。

スクエア、オープン、クローズスタンスのどれを選んだらいいか?

ということですが、基本はスクエアスタンスがおすすめです。特に初心者の方の場合は、最初はスクエアスタンスで構えていただくといいと思います。

ただ、ある程度慣れてきた段階で、もし、思うようにパットが打てないなと感じた場合は、オープンスタンスやクローズスタンスも試してみる価値はあると思います。

先ほどもご紹介したゴルフコーチ、江連忠さんはあるゴルフ雑誌の中で、スタンスの向きを選ぶ上で重要な4つのポイントについて語っていらっしゃいます。それらは、

①立ちやすいかどうか
②ラインを見やすいかどうか
③ラインに打ち出しやすいかどうか
④ストロークしやすいかどうか

の4つだそうです。こういった点に注意しながら、3つのスタンスを試していただくといいかも知れません。

また、オープンスタンスとクローズスタンスだけを見てみると、

オープンスタンスがおすすめ

オープンスタンスはこういった人におすすめかなと思います。

クローズスタンスがおすすめ

一方、クローズスタンスはこういった人におすすめです。

また、これは少々変則的ですが、ショートパットやロングパットの時だけ、スタンスを変えてみるという方法もあります。

例えば、ロングパットで距離感を合わせたい時はオープンスタンスにするとか、ショートパットでストロークを安定させたい時はクローズスタンス・・・といった形でもいいかも知れません。

ちなみに、ロングパットやショートパットについてはパターの距離感が合わない時の6つの練習方法と打ち方ショートパットの打ち方とコツという記事もアップしていますので、よかったらそちらも参照ください。

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